今一度知る双極性障害の『自分自身を強化する(後編)』 2011
12/7
水曜日

「バイポーラ-(双極性障害)ワークブック」から第5章「自分自身を強化する」の(後編)要点をピックアップしたい。

【参考文献】
chapter1:疾患をコントロールする
chapter2:双極性障害の実際
chapter3:自分の経緯を図式化する
chapter4:早期予防システムを発動させる
chapter5:自分自身を強化する
chapter6:薬物療法の効果を最大限に得る
chapter7:「否認」の壁の克服
chapter8:思考の誤りの認識と把握
chapter9:感情的な思考をコントロールする
chapter10:精神的メルトダウンを反転させる
chapter11:改善へ向けた変化

バイポーラー(双極性障害)ワークブック―気分の変動をコントロールする方法
モニカ・ラミレツ・バスコ 野村 総一郎
479110630X

双極性障害(バイポーラーディスオーダー)による「気持ちの揺らぎ」を抑制する具体的対処法を、認知療法的な手法を用いて、分かりやすく解説。ガイドライン(治療指針)は患者さんへの指導書として治療者が使用でき、障害を持つ患者さん自身が使う自習書としても最適な治療読本。



■どのような行動が躁病やうつ病を悪化させる可能性があるのか
■ほかの人との接点を増やし、より多くの支援を受けられるようにするための方法を身につける
■食事と睡眠の習慣を改善する
■心配したり、深く思い悩むことをコントロールする
■過剰な刺激を軽減する
■物事を先延ばしにするのをやめる
■圧倒されそうな課題をより対処しやすいものにする

1節 ネガティブなことを減らす
表5.4 環境における過剰な刺激の源
表5.5 内的な過剰刺激の例
ワークシート5.10 目標設定ワークシート
ワークシート5.11 1つずつやる
ワークシート5.12 達成すべきステップ
ワークシート5.13 最初のステップ
ワークシート5.14 可能な報い
図5.1 うつ病を悪化させるサイクル
ワークシート5.15 行動を起こす理由
表5.16 活動スケジュールを完成させるコツ
ワークシート5.16 活動スケジュール(月曜日~日曜日)


<3つの方法を学ぶ>
   ※ここでは(3)にフォーカスしている
  (1)、(2)は→今一度知る双極性障害の『自分自身を強化する(前編)』
 (1)いったん症状が始まってしまったら、それを悪化させないようにするための方法
 (2)生活の中にポジティブなことを増やすための方法

 (3)ネガティブなことを減らし、コントロールするための方法

■■ネガティブなことを減らす

ネガティブなことを取り除くことに注意を集中させる
 ・心配して思い悩むことを減らす
 ・過剰な刺激に対処する
 ・無気力を克服する
変化と活動を求める躁病的な活動をコントロールすることについての指導と提案

◇ベッドに入ると心配事が次々と心に浮かんでくる
・眠りに就くために身体をリラックスさせ始めると、その日の出来事、他者との会話、自分が直面する問題についてとりとめもなく考えてしまうことがある
・考えが突然脳裏に浮かび、1つのアイデアから別のアイデアへと繋がっていくこともある
・たちまち、眠る前よりも精神的に敏捷になっている自分に気づくはず
これらをコントロールするためのステップは以下のとおり

―ステップ1:寝る前に自分の1日、心配事、および問題を振返るための時間を設ける
・できれば就寝の1時間前がよい

―ステップ2:リストを作る
・自分を悩ますことについて考え始めたら、それらを書き留めてみる
・それを見れば、頭の中に溜めておく必要はなくなる

―ステップ3:優先順位をつける
・ステップ2であげた項目を、その重要性に応じて順位を付け、並べてみる
・それがごく最近起こったことだから、あるいは本当に煩わしいから、という理由で些細な事柄が非常に重要に感じられることがある
・心配の順序が自分の生活の包括的なスキーマにおける項目の重要性を反映するようにする

―ステップ4:自分が最も思い悩む項目に対して行動計画を立てる
・明日、自分が出来ることを考える
 (もっと考える時間を作る、そのことを誰かに相談する、その件に関してより多くの情報を手に入れるでもよい)
・重大な問題を全て一斉に解決しなければ、と負担に感じる必要はない
・自分の選択肢をよく検討して、理にかなった第一歩について考える
・そして自分の目標を達成するために役立ちそうなことを選択する
・記憶しておかなくてもいいように、自分の計画を書き記す

―ステップ5:考えるのをやめる
・思い悩むことが重要でない、自分にはどうしようもないことであるにもかかわらず、頭の中に絶えず浮かんでいるとしたら、自分自身に「やめろ」という(自分に対して強制的な口調で言う)
・思い悩んでもエネルギーを浪費するだけだということを自分自身に思い出させる
・自分のエネルギーを何か価値のあること、自分のコントロールできる範囲内にあることに向け直す
・(上手くいかないのなら)公園を散歩したこと、この前美しい夕陽を見たことを思い出すなど、何かもっと楽しいことを考えるように頭を切り替える

◇過剰な刺激
・躁病、軽躁病を悪化させる可能性がある刺激は2つある
 第一群には、騒音など、環境からの刺激が含まれる
 第二群には、沢山の思想やアイデアを抱えていることからくる内的な刺激
・適度な外的な刺激は、自分をイライラさせ、不安な気持ちにさせることがある

自分の環境内で過剰に刺激する恐れがあることを表5.4に挙げる


表5.4 躁病における過剰な刺激の源

●騒音
●散乱
●混乱
●多すぎる人々
●道路の交通

●大きな笑い声
●大音量の音楽
●電話の呼び出し音
●遊んでいる子どもたち
●グループセラピー




・自分の思考や行動が過剰な刺激となることもあり得る
・たとえば躁病または軽躁病の症状が現れ出した場合、普段よりも多くの考えが浮かんできて、より創造的になることもある
・自分の新しいアイデアについて考えれば考えるほど、ますます強く刺激される
・喜びまたは興奮といった感情によってその進行がエスカレートすることもある
・自分のアイデアを行動に移そうとした場合には特にそうなる
・興奮すればするほど、自分のアイデアの流れがいっそう速くなる

過剰に刺激する可能性がある事柄の例を表5.5に挙げる


表5.5 内的な過剰刺激の例

●迷走思考
●過去について思い悩むこと
●新しい活動または冒険的なことを計画すること
●創造的な思考やアイデアをあれこれと考えること
●書き記す代わりに、覚えておこうと繰り返し考えること
●新しい計画を始めること
●過去のこと、特に感情的な出来事について思い出にふけること







◇環境的な刺激を減らす
 ・環境的な刺激を減らす最初のステップは、”刺激の発生を認識する”こと
 ・第2のステップは、刺激の源を固定すること
  (自分の環境の中のことか、心の中のことか)
 ・第3のステップは、行動を起こすこと
  環境の中のことそれを鎮めるか、自分がそれから離れる方法を見つける
            考えを取りまとめ、落ち着くための静かな場所を見つける

◇内的な刺激を減らす
 ・内的な刺激をコントロールするよりも外的な刺激をコントロールするほうが簡単
 ・内的な刺激を減らすには、自分の心を静めるか、思考を整理するための方法を見つける
 ・目標は、思考のプロセスがもはや過剰な刺激を与えることのないよう、その進行速度を緩めること

―環境を静かにする
 ・自分の環境を鎮めるために行動をとることが適切な第一歩

―自分自身を落ち着かせる
 ・精神的な過剰の刺激は、不安あるいは興奮といった強烈な感情によって煽られる
 ・リラクゼーションのエクササイズを用いて身体の緊張感を減らす
 ・心が慰められる音楽でしばらくの間自分の気持を紛らわせる
 ・両足を挙げて短い間休憩をする
 ・過去にストレスを受けていたときにリラックスさせてくれた、あるいは落ち着くのに役立ったと思うものなら何であろうと、たいてい精神的な過剰刺激を減らすことができるだろう

―整理する
 ・刺激に境目を定めないと、あまりにも多くのアイデアを抱え、思考が支離滅裂になって苦しむようになってしまうこともある
 ・何か新しいアイデアが心に浮かんでくるたびにそれに従いたいとう衝動をコントロールするには、整理するための以下の目標設定を試してみるとよい

-目標設定
 ・あまりにも多くのアイデアが浮かんできて、あるいはしなければならないことが多すぎて過敏になっている、
  または圧倒されていると感じたら、自分の考えを整理する必要がある
 ・躁病と軽躁病が現れ始めると、新しいアイデアがすべて非常に優先的なことのように思えることがあり、1つの計画から別の計画へ次々と移り、多くのことを始めても最後までやり遂げることはほとんどない、ということになってしまう

 ワークシート5.10の目標設定ワークシートを活用し、心に浮かぶ活動アイデアをすべて書き記す
 ・自分がしなくてはならないこと、したいこと、しばらく先延ばしにしてきたこと、が含まれる
 ・それぞれの項目の優先度を高い(H)、中くらい(M)、低い(L)で判断する
 ※優先度が高い   その仕事が非常に重要、期限が間近に迫っている
 ※優先度が低い   遅らせることができる仕事、しなくても大した影響がない
 ※優先度が中くらい 優先度が高い仕事と低い仕事の中間に位置するもの



ワークシート5.10 目標設定ワークシート

現在の活動、責任、興味 優先度
優先順位
高い 中くらい 低い



































・目標設定ワークシートのリストを見て、優先度が高いとしてマークされた項目が余りにも多い場合
 それが絶対にすぐやらなくてはならないことなのか、それとももっと時間に余裕ができるまで遅らせてもいいのか、よく考える
・優先度が高い項目については、それをどれほど完了させたいと思うのかに応じて順番に並べる
・(1つの活動から別の活動へ次々と移りたくなるだろうが)1つの仕事をやり終えてから次の仕事に取り掛かるように自分自身と約束する


■圧倒される気分
◎あなたは、何をしたらいいのか正確にわかっていながら、自分自身にそれをさせることができないのか
◎難しい仕事に直面し始めたとたん、やり遂げる必要のあるすべての部分について考えてしまい、始めてもいないうちからげっそりと疲れて、やる気を失った気分になるか
◎それはあなたにとって今手に負える以上のことのように感じられるか
◎このことであなたは先延ばしすることになり、物事が必要以上に延期されるか

・◎印のことが自分のことを述べているように聞こえたら、恐らく容易に圧倒されがちではないだろうか
・煩わしいことを投げ出したり、避けていると、通常、結果的にますます遅れてしまうことになる
・煩わしいことがどんどん滞っていることを知ると、うつ病は余計悪化することがある
・とくに自己嫌悪になる場合がある

どうしてそのようになるのだろうか?
―人は圧倒されると、
・しばしば心の中で「自分はそれに対処することが出来ない」と思い、極度の緊張に駆られる
・課題から離れると、「もう離れてしまったのだから、これで大丈夫だろう」と思い、リラックスした気分になる

―大変な課題をこなすには、
・ストレスになる、または良くない⇒それらに関わらないようにすると気分が良くなることを偶然に悟る
 次に何か困難な問題に直面したとき
   それに対処するのではなく、むしろ関わりを避けようとする可能性が高い

―その過程であなたは、
・自信を失い始める

―自信がないときは、
・ストレスの多い状況に対処しようとするあまり考えなくなる

―そうこうするうちに、
・問題や課題はますます大きくなり、対処するのがいっそう大変になる

―こうして、
・ますます落ち込んだ気分になる


◇分解し、引き受けるための方法
圧倒される気分に対処し、さらに自分の目標に向かって前進するためには、
 仕事または問題に対する自分の見方を変えること
 何カ月もおろそかにしてきた自宅の掃除をする
 所得税の申請の遅れを取り戻す
等、大きくて圧倒されそうな仕事を、より小さな、もっと対処可能ないくつかの部分に分解する
 (すべてはそれに対する自分の見方にある)
・うつ病の時は、動機が乏しいとどのように始めていいのか想像もつかない
・集中力が低下していると、考え方を整理できるほど長く自分の思考を集中させることができない
・活力が低下してしまっていると、取り組むにしても疲れてしまってできないことがある

  うつ病+するべき大きな仕事=圧倒される気分

―分解する方法―
-ステップ1:一度にすべてしなくてはならないと考えない
・一日で事態を全て片付けてしまうほうがいいかもしれないが、それは理にかなっていないこともある
・物事をやりとけることに対して現実的な目標を設定するのに役立ちそうなことを後で思い出せるように ワークシート5.11に書き出してみよう



ワークシート5.11 1つずつやる

1つずつやることについて、自分自身に言えること

(例えば、「すべてをすることはできなかったとしても、まったく何もしないよりは何かをしたほうがよい」)













-ステップ2:問題を解決する、もしくは課題をやり遂げる際に、必要となるステップをすべて書き記す
・自分の頭の中にあることを外に出して紙に表してみることが、それほど圧倒された気持にならないようにするために役立つ

アイデアをワークシート5.12に書き留める

ワークシート5.12 達成するべきステップ

達成したいステップ













-ステップ3:出発点を選ぶ
・1ステップだけにとどまらずもっと先に進みたい、という衝動に駆られても、その気持ちを抑える
・あまりにもたくさんのことを引きうけてしまうと、またもやすっかり圧倒された気持になってしまう

最初の1ステップを選び、それをワークシート5.13に書き留めてみる
・書かれた形でそれを目にすることは、自分自身に対して約束を守る上で役立つ



ワークシート5.13 最初のステップ

自分はまず、ここからはじめていこうと思います。













-課題を引き受ける方法-

-ステップ1:開始日と開始時刻を選ぶ
・やっかいな課題の第1ステップを始める時間を自分自身に指定する
・妨げとなることがあまりに多く起こりそうになく、他の責任が介在しそうにない、現実な時間を選ぶ
・時間とエネルギーがありそうなときにそれを予定してみる

-ステップ2:第1ステップを実行する
・そんな気分でなく、動機を感じない、それよりもやりたいと思うことが多数頭に思い浮かぶとしても、わずかな進歩でも、一歩も進まないよりは良いと自分に言い聞かせてみる
 (行動しようと動機づけられるのを感じるまで、物事を先延ばさない)
・行動を起こすことが自分にとって最もためになると判断することが大事
・さしあたり、自分を身動きできなくさせてしまうネガティブな感情も無視して、とにかく始めてみよう
・一旦行動する自分自身を見れば、動機が蘇ってくるかもしれない

-ステップ3:各ステップをやり終えたら、上から横線を引き、リストから削除する
・行動に乗り出したことについて自分自身を誉めてやる
・あるいは何か楽しいこと、愉快なことをして自分にご褒美をあたえよう
・まだまだするべきことがたくさんあるからそれどころではない、などど思わないこと
・何かを成し遂げた時の得られる安堵感が動機づけになるというのなら、その仕事をやり遂げることが自分にとって唯一必要な報いなのかもしれない
・(難しく、楽しくないものであれば)やり終えるためのポジティブな強化を自分に真に与えるための別の方法を見つける必要がある
・自分にどのように報いるか、事前に計画を立てる

それを思い出すように、ワークシート5.14に書き記してみる



ワークシート5.14 可能な報い

行動を起こすことが出来たら、自分自身に次の報いを与えようと思います。














-ステップ5:その課題において次にするべき部分を選択する
・それをいつやるか予定を立てる
・課題をやり遂げるまでステップ1~ステップ4を繰り返す

―達成の無効化―

・課題をやり遂げたことに対して自分自身をさんざん痛めつけても、動機は得られない
・双極性障害の人で、いささか完璧主義なところがある人は、高い水準の成果が得られるまで励ましと称賛を差し控えてしまい、自らに良くない影響を与えることがる


無気力のサイクル

・抑うつ的な気分にあるときには、たやすく無気力のサイクルにはまってしまう
・うつ病になると、たいていエネルギーが乏しくなり、すぐに疲れてしまう
・通常の活動に対する興味も失せてしまう
・活動量が減ると、気分はますます悪化する
 これがさらにうつ病に拍車をかけてしまう





図5-1 うつ病を悪化させるサイクル





<無気力を克服するには、そのサイクルを断ち切る方法を見つける必要がある>


ワークシート5.15に行動を起こす自分の根拠を書き記す

ワークシート5.15 行動を起こす理由
自分が行動を起こす理由








◇活動スケジュール
・何もしないことの何が問題になるのか?
   
・何もしないと、自分に対するより好ましい感情、達成感を与えてくれるであろう事柄を逃してしまう
・楽しむ機会を逃がしてしまうこともある
・楽しい活動に携われば気分も晴れる
・そうなれば、よりエネルギッシュに感じ、自分の生活のほかの面にも目を向けていこうと動機づけられる

ワークシート5.16は、一週間分の活動スケジュールを書いてみよう
・活動スケジュールを最も有効に利用するには、前の日の夜にその翌日の計画を立てる時間をとるようにすること
・前の日に、明日、自分は何をするつもりなのかわかっていれば、人は時間を無駄にしないようにし、やる気の無さに完全に支配されることのないようにするもの

活動スケジュールを完成させるためのコツをいくつか、表5.6に挙げる



表5.6 活動スケジュールを完成させるコツ

●それぞれの日に予定する起床と就寝の時刻を記入する
●仕事や予約といった、定期的に予定されている活動を書きこむ
●それぞれ1日に少なくとも何か1つ、楽しい活動を計画する
●1日に何か1つ、課題をやりとげるための時間を予定する
●計画を立てるにあたって現実的に、あまりにもたくさんの予定を詰め込み過ぎない








ワークシート5.16 活動スケジュール(月曜日~日曜日)
各仕事ををやり遂げたら、□にX印を記入してください

時間

月  日
月曜日

月  日
火曜日

月  日
水曜日

月  日
木曜日

月  日
金曜日

月  日
土曜日

月  日
日曜日

9:00















10:00















11:00















12:00















13:00















14:00















15:00















16:00















17:00















18:00















19:00















20:00















21:00


















■「Aリスト」と「Bリスト」
・活動スケジュールよりもっと簡単に計画を立てるためには、
  ―絶対にしなければならないこと 「Aリスト」
  ―もし時間とエネルギーがあればやりたいと思うこと 「Bリスト」
 を1日ごとに短いリストを作る
・1日に多くても、2~3項目にとどめる
・目標は、「Bリスト」の活動を始める前に「Aリスト」の活動を終えてしまうこと

■変化を求める
・軽躁病と躁病には、変化を求める衝動を駆り立てる傾向があるので、物事を最後まで十分に検討することなく行動を起こしてしまうことがある
・人は気が散ったり、あまりにも多くのアイデアを持ったりすると、混乱し、結局、しなければならないことすべてに圧倒されてしまいかねない
・やりかけの計画、雑用、混乱した環境、自分の変化のために必要な品物に過剰に費やしてしまったお金のことを考えると、自分の気分はますます悪化する

変化を求める衝動に対処するための戦略
・考えに従って行動する前に、しばらく時間をおくこと
・以下のことを自分に問いかけてみる
 ●自分は本当にこの変化を望んでいるのだろうか
 ●それは自分の時間とエネルギーを費やすだけの価値があるのだろうか
 ●自分はそれほど努力を進んで注ぐつもりだろうか
 ●ほかの人はこれを良い考えだと思うだろうか
 ●時分は変わりという漠然とした衝動に駆られているのだろうか
 ●それとも、現状を本当に不満に思っているのだろうか

もし変化を求める衝動が軽躁病または躁病によって駆り立てられたものであると確信したのなら、症状をコントロールするために必要な予防措置を講じた上で、その欲求を満たすために自分が変えることができる何か小さなことはないか、と自分自身に尋ねてみよう





次回は、本書から『薬物療法の効果を最大限に得る』について触れてみたい。

【バイポーラ(双極性障害)ワークブック 全トピックス】 ※新しいページで開きます
「DSM-IV-TR」と「ICD-10」の分類・定義
第2章(抜粋) 今一度知る双極性障害の『大うつ病エピソード』-Major Depressive Episodes-
第2章(抜粋) 今一度知る双極性障害の『躁(そう)病エピソード』-Manic Episodes-
第3章 今一度知る双極性障害の『自分の経緯を図式化する』
第4章 今一度知る双極性障害の『早期警報システムを発動させる』
第5章-1 今一度知る双極性障害の『自分自身を強化する(前編)』
第5章-2 今一度知る双極性障害の『自分自身を強化する(後編)』
第6章 今一度知る双極性障害の『薬物療法の効果を最大限に得る』
第7章 今一度知る双極性障害の『「否認」の壁の克服』
第8章-1 今一度知る双極性障害の『思考の誤りと認識と把握』
第8章-2 今一度知る双極性障害の『思考の誤り「誤認(過大視・過小視)」』
第8章-3 今一度知る双極性障害の『思考の誤り「結論への飛躍」』(読心術、運勢判断、破局視、個人化)
第8章-4 今一度知る双極性障害の『思考の誤り「視野狭窄」』(選択的知覚、心理的フィルタリング)
第8章-5 今一度知る双極性障害の『絶対思考(白黒思考、レッテル貼り、すべき思考)』
第9章 今一度知る双極性障害の『感情的な思考をコントロールする』
第10章 今一度知る双極性障害の『精神的メルトダウンを反転させる』
第11章 今一度知る双極性障害の『改善に向けた変化』




(2011/12/07 9:04)


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