■自殺念慮
・死または自殺に関する思考がもっともらしく感じられることがある
・心を慰めるものに感じられることもあるかもしれない
・ひどいうつ病になると、自分には死ぬしか選択の道はないと確信しかねない程、暗い考え方をするようになることもある
・これらは、自分の命を奪うことを企てるうちに、しばしば自分に対する有害な行動へといってしまう恐ろしい考えとなる
・自殺年慮は多くの形態をとることが考えられる
・最も重篤な形態では、自殺をするように命じる声が聞こえてくることがある
・これは幻聴で、うつ病の時に脳の中で生じる生物学的な変化が引き金となって起こる
・そららは自分の真の考えではない
・自殺念慮のより穏やかなものには、死に関する漠然とした考え、またはただ逃げ出してしまいたい、消えてしまいたい、という願望が含まれている
・中程度では、そうなるよう必ずしも自分で何かをするわけではないが、死んでしまうならそれはそれで構わない、と考えることがある
・平和に眠りに落ち、そのまま目が覚めなければいいのに、と願う人もいる
・死または自殺について考えるというのは、未来について絶望に駆られたり、何も変えることができないと無力感に襲われたりした結果であることが通常である
・自分の問題に対してほかに何の解決策も考えられず、頑張って続けていく理由が全く見当たらないとき、死が許容可能な選択肢であるかのように思われ始めることがある
・自分の生活をよりよいものにする機会を得るには、何か新しいことを学べる位の期間は生き続けていなくてはならない
死と死ぬことについての思考を撃退するために、ワークシート9.3の演習を試してみよう
-自分の生きている理由を挙げてみよう
-人生は生きるに値するのだろうかと疑問に駆られたとのために備え、あらかじめ計画を立てておこう
-調子が良くないとき自分自身に思いだせることを挙げてみよう
ワークシート9.3 生きる理由 |
生き続けていく理由を挙げてみよう。人生について暗い考えを抱き始めたら、もう一日がんばってみるためのこれらの思い出すためにリストを見渡してみよう
どうしてこの世を去るべきではないのか
誰のために生きているのか
失ったら残念に思うもの
未経験なこと
自分にとって重要なこと
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◇なぜ希望をもつべきなのか
・自殺思考を抱いてしまうほど落ち込んだ気持になると、自分の問題を解決するには死ぬしかないように考えてしまうことがある
・自分のいるスランプから抜け出せる自信を一時的に失ってしまったのかもしれない
・他の人が励ましてくれたり、良くなれると信じてくれても、それを過小視してしまうのは、それがその時のネガティブな考えと一致しないため
・未来について期待を抱くに足りる十分な理由はあるかもしれないが、ひどいうつ病のときには視野が狭くなり、考えを曇らせてしまい、それらの理由が見えなくなってしまう
・だからこそ、希望を失うべきではない理由を、より自信や希望を抱いている時にリストに挙げておくのが一番良い
・そしてうつ病のときは、そのリストを読み、自分にはもっとポジティブな見方が可能であるということ、希望を抱くべき理由があることは自分もどこかでわかっているということを思い出すことができる
ワークシート9.4に、未来には希望があると信じる理由を挙げてみよう
ワークシート9.4 希望を持つ理由 |
私が希望をもつ理由
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次にいくつか質問をしよう
これらは希望を失わない理由を思い出すのに役立つかもしれない
●改善が期待できるようなことを何か、今しているか
自分にできることはあるか
●自分を落ち込ませる問題は一時的なものである可能性は高いか
それらは時間によって自然に解決するか
●どうしてほかの人は、未来には希望があると信じるのか
●自分がまだ努力をしつくしていないという可能性はあるか
●以前にこのような経験をしたことがあるか
たいていは時間、努力、または忍耐によって状況は改善したか
・ときどきリストを見直し、希望をもつために考え付く新しい理由を加えてみよう
・人生は生きるに値するものだろうか、と疑問に思い始めた時に見ることができる場所にリストを保管しておこう
>>>警告<<<
●自殺をめぐる幻想は非常に誘惑的になりえる。生きるよりも死んだ方がいいという考えへあなたを巧みに誘ってしまう可能性がある。
●自殺をめぐる幻想は偽りの安らぎを与えることがある。それは、あなたをだまし、死はあなたの問題の妥当な解決策であると信じ込ませてしまうかもしれない。
●自殺をめぐる幻想はあなたを欺き、誰も気にしないだろうと思わせてしまう。それらの幻想のせいで、自分などいない方がみんな都合がよいという偽りのイメージを作り上げてしまう。そ自分がいなくなったときの嘆きと苦痛を見えなくさせてしまう。それらは、あなたを救うことができなかったことで家族や友人が駆られる罪悪感を、あまたに想像できなくさせてしまうもの。
●幻想はあなたにとって自殺を図る可能性が高くなる。自殺を図った親をもつ子どもは自分自身も自殺を図る可能性が高くなる。自殺は、愛する人々の行く末も似たように運命づけてしまうことがある。
★最後の最後になるまで助けを求めるのを待たないこと
★死んでも構わないという思いが浮かんでしまうことに気付いたら、誰かに相談すること
もし以下のうちのいずれかを経験した場合には、助けを求めよう
●その実行方法をめぐる幻想も含めた自殺念慮
●繰り返し生じる死への漠然とした考え
●気付くと自分の所有物を人に譲っている
●家族、友人、またはペットに別れを告げている自分の声が聞こえる
●あなたがいなくても生きていくよう、人々に心の準備をさせ始めている
●自分の周りにある、自殺を図る助けとなりうるものに目が留まるようになる
●過剰服用にいたる十分な量を所持するたびに、密かに薬を蓄え始めている
●注意書きが自殺の処方箋のようにみえる
このワークブックの目標は、自殺が魅力的な考えに思え始めてしまう前にうつ病と躁病の症状をコントロールする方法を教えること
自分の気分の変化を随時観察する演習を用い、できる限り薬を一貫して服用し、そして症状をコントロールするためにこれまでの方法を学んで、うつ病と躁病のエピソードがコントロールを逸しないように止めることができるだろう。
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