今一度知る双極性障害の『思考の誤りと認識と把握』 2011
12/13
火曜日

シリーズ10回目ともなると、固定読者はあからさまにウンザリ、といった様相を呈しながら私のブログを離れていくようだ。
アクセスログの減衰状況を見るまでもなく明らかだろう。
くどいようだが、私は必死なのである。
まだ、何十年と余命はある。
他人依存だけでは如何ともし難く、目前にはベルリンの壁以上の障壁が聳え立っている。
微々たるものでも、立ちふさがる壁を打ち崩していかなくてどうしようというのか!!
HELP ME!


さて、本題。
「バイポーラ-(双極性障害)ワークブック」から第8章「「思考の誤りと認識と把握」の要点をピックアップしたい。
本章は盛りだくさんの記述があるため、以下の6段階に分割して採り上げることとする。

今回は、No1,No2について記述している
 1.■出来事、行動、思考について
 2.■思考をコントロールするための3つのCの方法

 3.■誤認:過大視、過少視
 4.■結論への飛躍:読心術、運勢判断、破局視、個人化
 5.■視野狭窄:(選択的知覚、心理的フィルタリング)
 6.■絶対思考:白黒思考、レッテル貼り、すべき思考

【参考文献】
chapter1:疾患をコントロールする
chapter2:双極性障害の実際
chapter3:自分の経緯を図式化する
chapter4:早期予防システムを発動させる
chapter5:自分自身を強化する
chapter6:薬物療法の効果を最大限に得る
chapter7:「否認」の壁の克服
chapter8:思考の誤りの認識と把握
chapter9:感情的な思考をコントロールする
chapter10:精神的メルトダウンを反転させる
chapter11:改善へ向けた変化

バイポーラー(双極性障害)ワークブック―気分の変動をコントロールする方法
モニカ・ラミレツ・バスコ 野村 総一郎
479110630X

双極性障害(バイポーラーディスオーダー)による「気持ちの揺らぎ」を抑制する具体的対処法を、認知療法的な手法を用いて、分かりやすく解説。ガイドライン(治療指針)は患者さんへの指導書として治療者が使用でき、障害を持つ患者さん自身が使う自習書としても最適な治療読本。



本章では、
○あなたの気分は、どのようにして思考と出来事に対する反応に影響をおよぼしうるかを理解する
○あなたの思考は、どのようにして歪められたり正確でなくなったりするのかを検証する
○歪曲した思考を正すために、それを捕らえ、コントロールし、修正する方法を学ぶ

1節 出来事、思考、行動
ワークシート8.1 出来事、思考、行動-切迫した状況
ワークシート8.2 出来事、思考、行動-心配
ワークシート8.3 出来事、思考、行動-薬の問題
ワークシート8.4 出来事、思考、行動-創造的な考え
2節 思考をコントロールするための3つのCの方法




■はじめに

・双極性障害はうつ病や躁病のエピソードの最中に、またときにはエピソードとエピソードの間も、悲しみ、イライラ、興奮、不安、怒りといった感情を産み出す
・これらの感情、気分は、不安な状況に対して過剰な反応をする傾向を強める

・少し時間をとり、ワークシート8.1に、気持ちが乱れた最近の出来事、それが最初に生じたときに頭をよぎった考え、その状況に対する反応の仕方を書き記してみよう

・自分の気分が自分を過剰に反応するように仕向けてしまう
・しかし出来事に対して、感情的にどのように反応するかは、その状況に対して自分がどう考えるかで決まる



表8.1 出来事、思考、行動-切迫した状況

出来事

自分の思考 それにどう対処したか

自分の例:
















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・うつ病と躁病の期間中に生じる感情の変化は、何も特別なことなど起こっていないときでさえ感情的な思考をかき立てる可能性がある
・うつ病は自分を沈んだ気分にさせ、そして状況はやがて改善するだろうなどとは考えられなくなる
・自分の問題について考えれば考えるほど、ますます絶望的な気持ちになってしまう
・うつ病は自分の思考に影響をおよぼし、ネガティブで切望的な思考にしてしまう

・もし、自分がこのような状況になったことがあるなら、それをワークシート8.2に書き記してみよう


表8.2 出来事、思考、行動-心配

出来事

どんなことを考えたか それにどう対処したか

自分の例:



















・イライラした状況で薬の服用について問題があったのなら、それをワークシート8.3に書き記してみよう


表8.3 出来事、思考、行動-薬の問題

出来事

どんなことを考えたか それにどう対処したか

自分の例:


















・うつ病の場合と同様、躁病によっても、突然素晴らしい考えがひらめき、そのことでよい気分になるといったように、感情をかき立てる思考が自然発生的な創造的な思考、またはアイデアは非常にワクワクするものであり、たとえそれがその時点で実際的でなかったとしても、それを追求してみたいと思うことがある
・躁病になると、事態が実際以上に緊急であると思ってしまうことがあり、そして今すぐに行動を起こさなければ、自分のすばらしい考えをすべて失ってしまうように思うことがある
・このような状況になったことがあれば、ワークシート8.4に書き記してみよう



表8.4 出来事、思考、行動-創造的な考え

出来事

どんなことを考えたか それにどう対処したか

自分の例:
















・感情によって、内的または外的な出来事に対してどのように過剰な反応をするか、そして自分の反応はその状況に対する自分の評価に基づいている
・自分がそれらについてどのように考えるか、とういこと
・うつ病または躁病によってかき立てられた思考は感情によって歪められていることがある
・気分次第で、過剰にネガティブであったり、過剰にポジティブであったりすることがあるもの
・もっと重大な問題は、感情的な反応と状況についての考えによって、その状況にどれほどうまく対処するかが決まってしまう
・もし、物事を正確に捉えていなければ、必ずしも常にその状況にうまく対処するとは限らない




■思考をコントロールするための3つのCの方法


・本節の目的は、気分または感情が自分の知覚を歪めていることを認識することができるよう、そして自分の手助けになること
・過剰に感情的な思考が生じるときにそれを捉えることができれば、自分の反応を、コントロールされるのではなくコントロールすることができる
・そのための1つの方法は、過剰に感情的に考えているとき自覚すること
・自分の反応をコントロールする方法の1つは、自分にとって最も良いと思われる一連の行動を選択すること
・そしてもう1つは、感情的な考えを修正し、間違った方向へ導かれることがないようにすること

とらえる (Catch) 思考の歪曲が起こったときにそれらをとらえる
コントロールする (Control) それらが自分の行動に影響を及ぼさないようにする
修正する (Corect) 論理上の過ちをすべて正す

・歪曲した考えをとらえるためには、何を探すべきかを知らなくてはならない
・うつ病と躁病の思考への影響の仕方にはいくつか一般的なパターンがある
・それらは”思考の誤り”と呼ばれる
・次回から、うつ病のときと躁病のときに人が犯す、いくつかのより一般的な誤りを説明するが、これらの思考の誤りのうち、いくつかでも自分がそれを犯していると自覚できれば、間違った方向へ導かれてしまう前にその歪みを修整する機会が得られる

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次回は、第8章「思考の誤りと認識と把握」誤認:過大視、過少視について触れたい。

 ■出来事、行動、思考について
 ■思考をコントロールするための3つのCの方法
 ■誤認:過大視、過少視
 ■結論への飛躍:読心術、運勢判断、破局視、個人化
 ■視野狭窄:(選択的知覚、心理的フィルタリング)
 ■絶対思考:白黒思考、レッテル貼り、すべき思考

【バイポーラ(双極性障害)ワークブック 全トピックス】 ※新しいページで開きます
「DSM-IV-TR」と「ICD-10」の分類・定義
第2章(抜粋) 今一度知る双極性障害の『大うつ病エピソード』-Major Depressive Episodes-
第2章(抜粋) 今一度知る双極性障害の『躁(そう)病エピソード』-Manic Episodes-
第3章 今一度知る双極性障害の『自分の経緯を図式化する』
第4章 今一度知る双極性障害の『早期警報システムを発動させる』
第5章-1 今一度知る双極性障害の『自分自身を強化する(前編)』
第5章-2 今一度知る双極性障害の『自分自身を強化する(後編)』
第6章 今一度知る双極性障害の『薬物療法の効果を最大限に得る』
第7章 今一度知る双極性障害の『「否認」の壁の克服』
第8章-1 今一度知る双極性障害の『思考の誤りと認識と把握』
第8章-2 今一度知る双極性障害の『思考の誤り「誤認(過大視・過小視)」』
第8章-3 今一度知る双極性障害の『思考の誤り「結論への飛躍」』(読心術、運勢判断、破局視、個人化)
第8章-4 今一度知る双極性障害の『思考の誤り「視野狭窄」』(選択的知覚、心理的フィルタリング)
第8章-5 今一度知る双極性障害の『絶対思考(白黒思考、レッテル貼り、すべき思考)』
第9章 今一度知る双極性障害の『感情的な思考をコントロールする』
第10章 今一度知る双極性障害の『精神的メルトダウンを反転させる』
第11章 今一度知る双極性障害の『改善に向けた変化』








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