・ネガティブな事柄を取り除くよりも、ポジティブなことを加えていく方がずっと簡単
・自分の生活にポジティブなことを増やすことに集中する
・ポジティブな人やポジティブな経験、改善された睡眠、健康な習慣を身につけること
◇人を増やす
・うつ病になると、人のそばにいたくなることがある
・人と一緒にいるのがあまりにも苦痛に感じられ、他人がうっとうしい、思いやりがないように感じたり、自分の現状を人に知られたくないと思うこともある
・自分の行動の仕方、ほかの人の自分への対処の仕方について不安を感じる
・自分の中に閉じこもっていたいと思うのが自然な欲求だが、それはうつ病のときにしてしまうと最悪のこと
・孤立は孤立を生み、孤立はうつ病に拍車をかける
・うつ病になるとますます自分を孤立させたくなる
・これらは悪循環になりかねない
・ひとりぼっちでいると、自分の苦しみを思い悩む時間があまりにも多くなってしまい、ネガティブな思考をやめるよう説得してくれる人が誰もいなくなり、笑う機会を逸らしてしまう
・家族やメンバーや友人は必ず常に正しいことを言うわけではないが、苦しみから気持ちを紛らわせるために、自分には彼らの支援が必要
うつ病
→→→孤立へと至る
→→→それが寂しさを招く
→→→それがさらなるうつ病をもたらす
・解決策は、自分がしたいと思うこととはまったく正反対のことをする
・人から逃げてしまう代わりに、人のほうへ寄っていく
・落ち込んでいることを人に知らせる
・友人、家族メンバー、仕事の同僚、セラピストもしくは医師、あるいは近所の人を頼ってみてはどうか
・彼らはあなたの問題を解決することはできないかもしれないが、自分の味方になって、必要な更なる力を与えてくれることはできる
◇人付き合いに向けて心構えをする
・人との関わりを本能的に避けてしまうときに社交的なことをするよう自らを説得するためには、他人と関われば何か良いことがあるという理由を考えることが必要
・ほかの人と一緒にいることが心地よく感じられた、または何らかの点で役に立ったという過去の経験に想いを巡らせてみる
・このようなやりとりを繰り返すことが、もっとそうしていこうという動機付けになる
※自分が過去に人から得たポジティブなことを記録してみよう
ワークシート5.5 人と関わるもっともな理由 |
人と関わると、次のようなポジティブなことがある
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■健康的な習慣を加える
※ワークシート5.6に、すでに行っている健康的な習慣と、これから習慣としていきたいこと、より強化していきたいと思う健康的な習慣を挙げてみよう
※自分の症状に上手く対処し、生活を整えると共に、人生から多くの喜びを得るためのよりよい方法も含めよう
ワークシート5.6 健康的な習慣 |
定期的に実行している健康的な習慣
さらに強めたい健康的な習慣
新たに身につけたいと思う健康的な習慣
かつて行っていて、また再開したい健康的な習慣
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■体重のコントロール
・自分の食習慣を変えるのは大きな挑戦
・運動を実行するのも大変なこと
・多くの人はもっと活動的になったり、自分自身をもっと好ましく感じられるように、より健康的な身体になりたいと考える
・ネガティブなことを取り除くよりも、ポジティブなことを加える方が簡単
・何かポジティブな習慣を身につくまで行うことから始め、そのあとでもう1つ、別のポジティブな習慣を加える
ワークシート5.7 体重コントロールにおける障害 |
自分に当てはまるものに印をつけよう
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□ダイエットの仕方がわからない
□運動が嫌いだ
□今はダイエットするのは無理だ
□ダイエットをしたくない
□ストレスがかかりすぎてしまう
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□ダイエット食品を買うお金がない
□ヘルスクラブの会員になる余裕がない
□太っていることは大した問題ではない
□疲れていてできない
□甘い物が好きだ
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※自分が加えることができるポジティブな例を以下に挙げる
※これらはより健康的な食事法と活動習慣に向けて取り組むうえで役立つ
表5.1 体重をコントロール、健康になるために、これらのポジティブなことを加える |
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●ダイエットに関する本を読む
●食品の栄養表示を読む
●自分にとってもっと健康的な品物を選ぶ
●昼食に果実を加える
●好きな野菜を見つける
●もっと頻繁に食事を作る
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●毎日散歩に行く
●床を磨く、芝生を刈る、落ち葉をかき集める
●テレビで運動番組を見て、それに従ってやってみる
●普通よりも遠くまで犬の散歩にいく
●万歩計をつける
●幼い子供と一緒に遊ぶ
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自分が取り除こうと思うかもしれないネガティブな習慣のリストをワークシート5.8に挙げる
ワークシート5.8 体重をコントロールし健康になるために、ネガティブなことを取り除く |
自分ができそうなことに印をつけてみよう
□家にジャンクフードを置かない。
□おやつを欲しいと思ったときに出かけて1食分を買う。(おやつが身近にあると、我慢するのがより難しい)
□精算前に食品カートに入れたものをすべてよく調べる。自分が買おうとしている品物で、不健康だと思われるものがいくつあるのかを数える。いくつかある場合は、少し取り出す。
□どうしても食べたいという渇望が弱くなるまで数日間、甘いものなしでやってみる
□全糖のソフトドリンクの代わりにダイエットドリンクか水にする
□主食を添えずに食事をとるようにしてみる
□揚げ物の代わりに焼き物を食べる
□1日にいくつ甘い物を食べたかを数え、それらを半分に減らすように挑戦してみる
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ワークシート5.9 自分の食習慣を改善する方法 |
すでに行っている習慣の隣にはレ点をつけ、やってみたいと思うことの習慣にはレレ点をつけよう
□食べる前に考える。自分にとってより良い選択をする。
□いろいろな方策を利用する。自分はこれをひとりで行う必要はない、援助を求める。
□同じ目標に向かって取り組んでいる人びとのグループに参加する。
□全か無かの方法で取り組むのではなく、むしろできるだけその都度自分の最善を尽くす。
□大きな減量目標を掲げる代わりに、自分にとって小さな目標を設定する。
□1食、あるいは1日の不健康な食事が計画全部を台無しにしないことを覚えておく。ただ、次の日はそれを改善出来るように自分自身に約束をする。
□減量には時間が必要。一夜明けたら体重が変わっていると期待し、すぐに変化が現れなかったからといってがっかりしてはいけない。
□低脂肪と表示された食品を購入する前に、その表示を読み、カロリー量と炭水化物の含有率を通常の物の量と比較する。
□食べる前に本当はどれほど空腹であるか、自分自身に尋ねる。ただ退屈なだけで空腹ではない場合には、何か別のことをする。気が動転していて本当はまったく空腹ではない場合には、ほかの方法で気分の改善に役立つ物を利用する。ただ喉が渇いているだけなら、まずは何かを飲んでみて、そのあと自分の空腹を再評価する。空腹なら、自分が感じる空腹に見合った量を食べる。ときには、少量の食べ物で間に合うときがある。残りはまたあとにとっておけるのだと覚えておくこと
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■夜の良い睡眠をとる
十分な睡眠をとること。ぐっすりと眠るためにできることをすべてして、それでもなお不眠症である場合には、医師に薬のことなどを相談する
表5.2に、確実に夜、良い睡眠をとれるようにするためにに利用できる戦略を挙げる
◇もし眠りにつけなかったらどうしたらいいのか
夜の良い眠りを妨げる可能性があることを表5.3に挙げる。
表5.2 夜の良い睡眠をとるための秘訣 |
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●首尾一貫していること。たとえ週末であろうと、毎日ほぼ同じ時刻に床に就き、同じ時刻に目を覚ますようにする。
●睡眠は夜にとるもの。日中に眠って夜遅くまで起きていることは避ける。睡眠サイクルがすでに昼夜逆転している場合には、睡眠を正常に戻すための計画に医師と一緒に取り組む。
●ベッドは眠りの場所とする。テレビを見る、本を読む、或いは請求書の支払を行うのは別の部屋でするように習慣づける。ベッドに行くことが眠りに就くことに結びつくよう自分の身体に教える。
●快適にする、気分良く感じられるような枕、毛布、および服を選ぶことで、睡眠場所を快適にする。
●就寝に向けて徐々に活動レベルを引き下げていく。環境を静かにし、心を静め、少なくとも寝る1時間前には眠る準備を始める。
●眠れなくなる可能性のある刺激物を避ける。夜のホットコーヒーやホットココア1杯、タバコを数本、デザートに魅力があるだろう。しかしカフェイン、ニコチン、あるいは砂糖に敏感な人の場合、それらは眠るのをより困難にすることがある。もし消化器系の問題があるのなら、夜遅くの夕食、または刺激の強い食事は胃に負担となり、眠れなくなってしまう事もある
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◇もし眠りにつけなかったらどうしたらいいか
夜の眠りを妨げる可能性があるものを表5.3に挙げる
表5.3 睡眠に問題があるときにしてはならないこと |
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●カフェイン: |
コーヒーを淹れてはいけない。カフェインを飲むと眠れなくなることがある。寒い夜に熱いコーヒーを1杯飲むのが楽しみなら、夕方や夜中用にカフェイン抜きのコーヒーを買ってくること。
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●インターネット: |
ベッドから抜け出してインターネットサーフィンをするのはやめること。眠くなる代わりに、脳を刺激し、眠れなくなってしまう可能性が高い。
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●テレビと本: |
テレビを見る、本を読むというのなら、眠れなくならないようなものを選ぶ。好都合な退屈な本、再放送のテレビ番組にするのがコツ。人が言い争っている場面が登場する番組や、次回に興味を持たせるような場面で終わる番組、暴力場面を含む番組、あるいは現実生活のドキュメンタリー番組は避ける。
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●雑用: |
ベッドから起き上がって家の掃除をするのは止める。済んでいない雑用が気になっても、真夜中に肉体労働をすれば、筋肉をリラックスさせるどころかむしろ緊張させてしまう。雑用をこなせるほど精神的に敏捷でいるためには目を覚ましていなければならない。これでは夜に良い睡眠をとるという目的を台無しにしてしまう。
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●運動: |
運動をすればぐったりと疲れ切ってしまうとわかっていても、ベッドから起き上がって運動をするというのはおそらく懸命な考えではない。身体的運動は、心と身体を過剰に刺激してしまう恐れがある。いつもは運動が良い効果をもたらすのであれば、ベッドに入る前に運動する時間を設定する。
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―パニックにならない
・不安と眠りは両立し難いもの
・自分をなんとか説得して眠りに就かせようと必死になればなるほど、寝付くまでの時間がますます長くなってしまいかねない
・寝付かれないと欲求不満になり、怒ることさえある
・激しい感情は眠りを妨げるだけ
―身体を休める
・心が余りにもせわしなく、静まらない時は、体をリラックスさせるようにすることで作用を促すことが出来る
・つま先から始まり、頭部にかけて取り組んでみる
・各筋肉の緊張を解き放ち、身体を快適な姿勢にすることに集中する
・まずは、片方の足、その後、片方の脚、等、一か所ずつ取り組む
・顔の筋肉、とくに頭、あご、および目をリラックスさせることを忘れないこと
・頭からつま先までリラックスにさせたら、ゆっくりと10まで数える
・1つ数える毎に緊張を解き放ち、さらにもうほんの少しリラックスするようにする
・どこかに残っている緊張を探し出し、解き放つ
―神経が冴えて眠りにつけないとき
・ベッドから出て、何かリラックス出来ることをするようが良い。
・テレビを見る、本を読む、その他、通常それをすれば落ち着ける、あるいは頭が疲れる活動なら何でも結構
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