『第三の嘘』アゴタ・クリストフ(著) 2019
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火曜日

原書は、LE TROISIEME MENSONGE by Agota Kristof(1991/フランス)
三部作(第一作「悪童日記」、第二作「二人の証拠」)の第三作(完結)に当たる。

悪童日記の評判にちょうしずいて書いちゃいました的印象。修飾・比喩を削ぎ落とした文体は新鮮。嘘も書かれているので辻褄合わせが最後まで合わないのはそれとして。国家の力関係、WWII勃発による空襲や侵攻、革命や貧困・離散が一要因として子供に影響を与えているが、クールに考えてみよう。戦争の影響はそれほどでもない。父親とその愛人、暴発した妻の殺人、要は家族を崩壊させたのは大人。そして双子の兄弟のような利発?な子がこの世にいるはずはない。戦争の混乱に乗じて大人は気分晴らしに下半身が奔放にスパークしたってだけでしょう。

登録情報
文庫: 266ページ
出版社: 早川書房 (2006/6/1)
言語: 日本語
ISBN-10: 4151200169
ISBN-13: 978-4151200168
発売日: 2006/6/1

内容(「BOOK」データベースより)
ベルリンの壁の崩壊後、初めて二人は再会した…。絶賛をあびた前二作の感動さめやらぬなか、時は流れ、三たび爆弾が仕掛けられた。日本翻訳大賞新人賞に輝く『悪童日記』三部作、ついに完結。




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