『ジョイランド』スティーヴィン・キング(著) 2016
7/11
月曜日

キング筋の、そして全作品を読破しているキング贔屓の立場からすると、全体的に地味で起伏に乏しい作品であるように感ずる。甘酸っぱい青春の装いに、幽霊話と子供の察知能力を添加したミステリーものと言えばいいだろう。彼自身、肩の力を抜いてリラックスして書いたのではなかろうか。70年代初頭の移動式遊園地の模様が筆致な描写と隠語を散りばめての語りはキングならではの独断場である。本作品はミステリー最高峰のエドガー賞(アメリカ探偵作家クラブ最優秀長編賞)を受賞している。

P.S.退職刑事ホッジスを主人公とする三部作の第一作となるMr.Mercedesが2016年夏終盤には翻訳Releaseされるという。これまた、キング筋の私には待ち遠しい限りである。ここで○○筋と二度ほど書いたが、この○○筋とは何を況んや、本書を読んだ方のみ知ることができる。

ジョイランド (文春文庫)
スティーヴン キング Stephen King
416790666X
登録情報
文庫: 376ページ
出版社: 文藝春秋 (2016/7/8)
言語: 日本語
ISBN-10: 416790666X
ISBN-13: 978-4167906665
発売日: 2016/7/8

内容(「BOOK」データベースより)
海辺の遊園地、ジョイランド。彼女に振られたあの夏、大学生の僕はそこでバイトをしていた。そこで出会った仲間や大人たちとすごすうち、僕は幽霊屋敷で過去に殺人があったこと、遊園地で殺人を繰り返す殺人鬼がいることを知る。もう戻れない青春時代の痛みと美しさを描くキングの筆が冴え渡る!感涙必至の青春ミステリー。

省吾のCOMPLETE? STEPHEN KING






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