日本陸海軍機大百科、『零式観測機』一一型(3) 2013
12/31
火曜日



日本陸海軍機、第108弾は、想定外の運用状況下で持ち味を発揮した海軍の水上機母艦搭載機『零式観測機』一一型を紹介します。


艦隊決戦思想の申し子とも言うべき、弾着観測任務に特化した水上機として誕生した零式観測機だったが、皮肉なことに太平洋戦争は航空戦主導の戦いに終始し、本来の活動場面で働く機会は結局巡ってこなかった。そんな状況下、本気がその持ち味を上手く発揮して脚光を浴びた局面もあった。水上機母艦に搭載され、渚戦期の南方侵攻作戦およびソロモン諸島を巡る攻防戦で、水上機力出撃を繰り返した。





今回のモデルは、昭和20(1945)年5月頃まで、海上飛行、偵察、哨戒、通信訓練に従事した、第二河和海軍航空隊所属の72号機。機体上面は暗緑色、下面は灰色の迷彩塗装に仕上げ、全面灰色の旧塗装のまま予備部品に交換した浮舟や浮舟支柱、主翼支柱の塗り分け、主翼および水平尾翼下面の”波状塗り分け”など忠実に再現されている。また、上翼上面および胴体には白フチ付きの日の丸を胴体後方と尾翼には機番号を記入している。このほか、浮舟に施したプロペラ回転範囲を示す赤色警告帯や台車固定位置を示す2本の赤帯、水平尾翼上面の偏流測定線など細部と爽も実機どおりに仕上げられている。



次回は、海軍機の艦上偵察機『彩雲』をご紹介します。


※サイト:日本陸海軍機大百科


(2013/12/31)


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