日本陸海軍機大百科、局地戦闘機『雷電』二一型(2) 2013
9/2
月曜日



日本陸海軍機、第103弾は、アメリカ軍側の評価から見える異色のインターセプターだった海軍の「雷電」を紹介されている。

日本海軍航空隊にとって、最初の防空専任の陸上戦闘機、すなわち「局地戦闘機」として開発された「雷電」だったが、諸々の要因が絡み合って、戦闘機搭乗員からは必ずしも諸手を挙げて歓迎されたわけではなかった。そんな雷電を、敵側であるアメリカ軍はどのように評価したのか? 比島(現フィリピン)で彼らが思いがけず鹵獲した機体を調査した際のテスト記録をもとに、本号ではアメリカ軍側の視点から見た雷電を紹介されている。

結果的に、第二次世界大戦の日本海軍のみが量産、実践使用したのを最後に、軍用航空史上から消え去ってしまった水上戦闘機だった。第一次大戦期に生まれ、第二次大戦後にアメリカ海軍が思索したジェット水上戦闘機をもって終焉を迎えた、その水上戦闘機の短い足跡を辿ると、特殊なるが故に、必要とされる局面はごく少なく、存在定義そのものも極めて流動的だったことが判る。本号ではそのような図以上戦闘機の40年に満たない足跡を追っている。


本モデルでは、昭和20(1945)年2月にルソン島マニラ郊外の野戦飛行場で米軍に鹵獲された後、TAIUにより調査・テストに供された第三八一海軍航空隊配備予定の3008号機である。全体をジュラルミン地肌((※注1)アルクラッド処理)をイメージした銀塗装に仕上げ、胴体後方及び左主翼上面、右主翼下面には青色/白星の国籍標識を、方向舵には青縦帯に白/赤の横帯を忠実に再現している。また垂直尾翼上部には、機体種別及び機体番号を示すJ2M33008の表記、その下に米国群が鹵獲した日本軍機の通し番号S12のステンシル、株にはTECH AIR INTEL UNIT-S.W.P.A.の表記を黒色でペイント。そして、スピナー前半及びプロペラ先端は赤色に、プロペラ表面およびスピナー基部は無塗装を表現した銀色に、裏面は防眩用の艶消し黒塗装を施している。このほか、機首上面の防眩用艶消し黒塗装や、胴体後方左側面のネームプレート(仮称)、「STEP」「NO STEP」の注意書き、翼端灯、編隊灯、燃料注入口などの細部塗装も実機どおりに仕上げられている。


(※注1)アルクラッド処理:超々ジュラルミン(extra super duralumin)-7075アルミ合金(Zn5.6%,Cu1.6%,Mg2.5%,Cr0.3%)-を外板として用いるときは,板材の両面に純アルミニウムの薄い層を熱間圧着して被覆し,耐食性を増している。これをアルクラッド材(alclad)という。



次回は、海軍機の『零式小型水上機』二一型をご紹介します。


※サイト:日本陸海軍機大百科


(2013/09/02 22:31)


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