日本陸海軍機大百科、『カ号観測機』 2013
6/9
日曜日



日本陸海軍機大百科、第93弾は、陸軍砲兵隊の観測任務に用いるために開発された、異色の回転翼機、『カ号観測機』を紹介します。

昭和14(1939)年に生起したノモンハン事変において、日本陸軍の砲兵隊が帯同した状況、および着弾観測任務を担当した気球班は、敵戦闘機による攻撃機で全滅し、砲兵武隊も無残な敗北を喫した。この教訓を踏まえ、航空本部も関知しない、技術本部からの発注という形で開発された気球に代わる観測兵器、それが異色のオートジャイロ機、すなわち日本陸軍流に言うところの「回転翼飛行機」、制式名称「カ号観測機」だった。しかし、その経緯は全く意外な方向へと展開した。

回転翼の頭文字(カ)をとって、命名されている。



今回のモデルは昭和20(1945)年はじめ頃、福岡県の雁の巣飛行場に展開し、朝鮮海峡方面の対潜哨戒に任じた船舶飛行第二中隊所属の2040機である。機体上面と垂直尾翼、主脚支柱は海面を背景にした場合を考慮した濃い暗緑色に、下面は灰色の迷彩塗装に仕上げ、胴体の白フチ付きの日の丸や、方向蛇に記入した固有機識別記号を忠実にペイントした。また、灰色の回転翼に施した1,2,3本の細い赤線や表面保護用樹脂を表現したプロペラ、焼鉄色の排気管、座席縁や主車輪、尾輪の塗り分けなど、細部の塗装も実機通りに仕上げている。




次回は、海軍機の陸上攻撃機『連山』をご紹介します。


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