日本陸海軍機大百科、水上戦闘機『強風』一一型 2013
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金曜日



日本陸海軍機、第90弾は、水上戦闘機開発の本命でありながら、主役になれなかった川西の意欲作、水上戦闘機『強風』一一型を紹介しましょう。

第一対潜期のヨーロッパ各国で盛んに使われた水上戦闘機も、戦後派需要のなさから休息に廃れてしまい、1930年代後半にはすっかり忘れ去られた機体になっていた。日本海軍もその必要性を認めず、開発の経験すらなかったが、昭和12(1937)年7月に勃発した日中戦争において、複葉二座水上偵察機が中華民国川の陸上機相手の空中戦で想定外の活躍を見せたことによって認識を改めた。そして、来るべき日米開戦を見据えて、初めての水上戦闘機開発を決定することになった。



今回のモデルは、昭和19(1944)年年末、ボルネオ島バリクバパンに進出し、要地防空や船団掩護に活躍した、第二十二特別根拠地隊付属飛行機隊所属の122号機である。機体上面は濃緑黒色、下面は灰色の迷彩塗装に仕上げ、胴体側面および浮舟、支柱の塗り分けも忠実に再現している。また、主翼上下面には白フチなしの日の丸を、胴体には白フチ付きの日の丸をペイント。また、尾翼には白フチ付きの青色で部隊符合/機番号を、主翼の上面には「ノルナ」の注意書きと赤色の歩行禁止帯を、そして、浮舟後端の水中火事部側面には「サワルナ」の注意書きを記入した。このほか、浮舟に施したプロペラ回転範囲を示す赤色警戒帯、赤/白色の台車固定一指示線、主翼前縁の黄色の味方識別帯など、細部と躁も実機どおりに仕上げられている。




次回は、海軍の陸上哨戒機『東海』一一型をご紹介します。


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