日本陸海軍機大百科、機上作業練習機『白菊』二一型 2012
12/1
土曜日



日本陸海軍機大百科、第76弾は、海軍多座搭乗員の養成を、一手に引き受けた万能練習機の『機上作業練習機『白菊(しらぎく)』二一型を紹介しましょう。


「機作練(きされん)」の略称で呼ばれた海軍の多目的訓練専用機は、地味ではあったが、搭乗員の養成という見地からは、実践に勝るとも劣らず存在感を示した重要機種のひとつであった。零戦や紫電改のような華やかなスポットライトを浴びる単座戦闘機を別にすれば、それ以外の海軍実践期は、爆撃機にしろ攻撃機にしろ、ほとんどが二人乗り以上の”多座機”であった。この多座機に乗務する、偵察、後方、爆撃、射撃、通信などを担当する搭乗員の訓練に必要なのが「機作機」、機上作業練習機だった。白菊は、その機作練の歴史の最後を飾った機体だった。



このモデルは、昭和20(1945)年5月、沖縄戦に際し編成された、私の出身県でもある旧徳島海軍航空隊所属の神風特別攻撃隊「徳島第二白菊隊」24号である。機体の上の側面は濃緑黒色の迷彩塗装に、下面は練習機を示す黄色塗装に仕上げ、主翼付け根付近の塗り分けや主翼前縁の見方識別帯も忠実にペイントされている。このほか、垂直尾翼の部隊符号/機番号と練習班区分を示す白フラッシュ(電光)や胴体後部左側のネームプレート、表面保護用樹脂膜を表現した灰色のプロペラと回転方向前縁に取り付けられた金属製保護板(茶色)、焼鉄色の集合排気管、主脚や尾輪、翼端灯など、細部塗装も実機どおりに仕上げられている。



次回は、特種攻撃機『剣』をご紹介します。


※サイト:日本陸海軍機大百科


(2012/12/01 14:53)



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