飛ばせ、飛ばせ、何せ、第43号まで届いているのだ。遅れを取り戻せ! いや、そういった気負うことが宜しくないので、暇任せでいいのだ、と自分に言い聞かせてみよう。
シリーズ第三三弾は、海軍の期待を一身に受け、改良型の開発に邁進した最後の制式量産戦闘機『紫電改』を紹介しよう。太平洋戦争末期、事実上零戦の後継機としての存在感が高まり、海軍航空隊の機体を一身に集めた感があったのが、局地戦闘機『紫電』二一型、すなわち通称”紫電改”である。それを裏付けるように、本機は最初の生産型が量産に入る前から、各種改良型が計画、あるいは試作着手されていた。しかし、周辺事情の混乱などにより、それらのうち実際に生産に入れたのは1~2種に留まった。
戦況の悪化に伴い、混沌・混迷としていた日本海軍は「紫電改」に対する期待の大きさから各種改良型が作られた。しかし、量産計画では11,800機であったが、実際の生産は450機に留まっている。日本は資源のない国だ。戦争末期にはアルミニウム合金不足に対処するため、機体構造材を銅材に変更する”銅製紫電改”も計画されたが、これも試作には至らなかった。
■「紫電』二一甲型[N1K2-Ja]
・二一甲型[N1K2-J]に対する変更点としては
(1)射爆照準器を九八式から新型の四式に更新
(2)垂直安定版を減積(13%)
(3)爆弾懸吊架を九七式甲型改一に変更
■「紫電』三一型[N1K3-J]
・二一甲型[N1K2-Ja]に対する変更点としては
(1)発動機取り付け架を前方に150mm延長
(2)空気抜き孔が2列となる
(3)三式13mm機銃2挺を機上方内部に追加装備し、カウリング上面にその発射口を設ける
■「紫電』四一型[N1K3-A]
・二一甲型[N1K3-J]に対する変更点としては
(1)胴体後部に着艦フックを追加し、その他艦上機用装備を施す
(2)機体ベースは紫電三一型
■「紫電』二五型[N1K5-J]
(1)発動機を三菱[ハ43]一一型空冷星形複列18気筒(2200hp)に換装
(2)カウリングを再設計
(3)ベース機は不明
■仮称紫電改練習機
(1)後席(教官席)を追加して複座化し、風防を大型化
(2)無線機などは撤去
(3)武装は全廃
(4)ベース機は不明
次回は『二式水上戦闘機』をお楽しみに。
※サイト:日本陸海軍機大百科
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