『正義の弧(上下巻)』マイクル・コナリー(著) 2023
10/8
日曜日

【上巻】マイクル・コナリーをお気に入り作家にしている方は多いだろう。私も皆読している一人だが、全作品を読み続けて一貫性があることは全編に渡るスリリングさとボッシュの真摯さ、事件への異常なほどの追求精神に感じ入ることだろう。その遺伝子はバラードにも引き継がれている。この作家はどうしてこれだけのバリエーションあるストトーリーを紡ぐことができるのか。莫大な調査資料や関係者のインタビューをしているのだろう。警察のブラックダークなことも炙り出す。これもリアルさを生み出している要素ではあるまいか。

【下巻】ボッシュ、長くの捜査活動お疲れさまでした。最後の犯人への正義(とするなら)の鉄槌、また過去の事件時に浴びたセシウム、転移も進みそう長くは生きながられないだろう。娘の警察官としての今後の成長、この要素を組み合わせないと、ボッシュの幕引きを読者が許すわけはないだろう。文末の訳者のコメントが何か気になるところではあるが。こんな刑事がいる限り、犯罪が蔓延ることはないと信じたい。





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