『ダーク・アワーズ(上下巻)』マイクル・コナリー(著) 2023
9/19
水曜日

上巻:前半を読んで、主役はバラード、脇をボッシュが固め、アドバイザーとして熟年の勘所は健在。しかし、刑事稼業もそうであるが、仕事に情熱をもって、心血注ぎ邁進する。仕事が好きだ、ということは素晴らしいことであり、嫌々仕事をしているのなら辞めたらいい。(派遣落ち、アルバイト崩れするのが関の山だが)そして、このような生活を続けると仄々とした家庭を築くのは無理な相談だろう、これも自明の理。しかしそんな中でもボッシュには娘が、バラードはひょっとして恋の芽生えも感じそうで、誰にでも愛情を享受する人は必要なのですよね。

下巻:ボッシュの生い立ちは多く語られているが、バラードはどのように育ったか(どこかで書かれてましたか) どうしたら正義・情熱・行動を備えた刑事になれたのでしょう。ボッシュもバラードも被害者の立場に寄り添い、彼ら彼女の気持ちを代弁するように事件解決に突き進む。一瞬もひるまない。ここが共通点か。「優秀な刑事」とは何か。誹謗も妬みも受け入れ孤独も批判も気にせずなのかもしれない。本書はバラードのパートナーはボッシュだった。これは救われるし、ボッシュも拳銃とバッチを持たせ、老体鞭打ち、もう一息、働いてほしいと願う。





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