『青い眼がほしい』トニ・モリスン(著) 2023
3/26
日曜日

原書は、The Bluest Eye, Toni Morrison(1970)

ここ最近、米国の何州かで発禁図書としてニュースで挙がった本書、書名が斬新だったし読んでみたいと。ホワイトVSアフターニガーの構図ではなく、家族、友達、地域社会の日常のさりげない出来事ながら、描写している視点が鋭角で抉るような深堀をしている。ユーモアな点もあるが決してハッピーではなく白人に比べ決して生活環境や教育面で恵まれてはおらず、労働者階級として暮らす家族たちがメインだ。「青い眼」部分はどのように絡んでくるのか一読するしかないでしょう。黒人庶民の日常をあからさまに淡々と記した本書、それらのやり場は明快な捌け口はない。まったくないわけではないが、ささやかな抵抗といえばいいか。

この小説が人種問題をテーマとしていて、子供達に悪影響を与えるので取り上げてしまえ、は臭いものに蓋をする論理でノーベル文学賞作家に失礼ではないか。

英ガーディアン紙が選ぶ「死ぬまでに読むべき」必読小説1,000冊  家族・私小説:158/1,000作品中

登録情報
出版社 ‏ : ‎ 早川書房 (1994/6/1)
発売日 ‏ : ‎ 1994/6/1
言語 ‏ : ‎ 日本語
単行本 ‏ : ‎ 252ページ
ISBN-10 ‏ : ‎ 4152078553
ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4152078551

内容(「BOOK」データベースより)
黒人の少女クローディアが語る、ある友だちの悲劇―。マリゴールドの花が咲かなかった秋、クローディアの友だち、青い目にあこがれていたピコーラはみごもった。妊娠させたのはピコーラの父親。そこに至るまでの黒人社会の男たちと女たち、大人たちと子供たちの物語を、野性的な魅惑にみちた筆で描く。白人のさだめた価値観を問い直した、記念すべきデビュー作。







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