『リガの犬たち』ヘニング・マンケル(著) 2021
11/9
火曜日

刑事ヴェランダーシリーズ、第二作。
異色作だろう。スウェーデンの田舎警察で正当な地道な捜査活動ではなくて、社会的背景に視点を当て、共産色に彩られ、自由を奪われた貧しい市民の生活と、権力と賄賂にまみれた市民を守る側の警察が好き放題するといった、ちょっと暗めの人道を外すような小説を書いてみたかったのだろう。主人公ヴェランダーからすると、これは刑事の捜査活動スコープ外であって、ちょっと魅せられた女性に対して、手懐けられた子犬のようにユラユラと心が彷徨っていて、「ちょっと違うんじゃないかい」と申したい。

登録情報
出版社 ? : ? 東京創元社 (2003/4/12)
発売日 ? : ? 2003/4/12
言語 ? : ? 日本語
文庫 ? : ? 443ページ
ISBN-10 ? : ? 4488209033
ISBN-13 ? : ? 978-4488209032
海岸に一艘のゴムボートが流れ着いた。その中には、高級なスーツを身につけた二人の男の死体。共に射殺。いったい何者なのか? どうやら海の向こう、ソ連か東欧の人間らしいのだが……。小さな町の刑事ヴァランダーは、思いもよらない形でこの国境を越えた事件の主役を演じることになるのだった! 話題の警察小説第二弾。







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