『目くらましの道(上下巻)』ヘニング・マンケル(著) 2021
9/26
日曜日

上巻:久々、骨太、警察ミステリー小説。スウェーデンからだ。といえばマルティン・ベックも4冊読んでいるが、年代が違う。冷戦構造の影響ありなしか。混迷・混沌感が増しているようにも感じる。しかし、小説はこの後、どうなるのだろうか、ハラハラ・ドキドキさせるは重要なこと。(これさえ満たせば概ねOKと言えなくもない) そして、複合的に事件が発生する。ヴェランダーの捜査の姿勢に感情移入し、プライベート(大概、離婚歴、女、娘、親)はプロットに据えられる登場人物になるし、外せないのだ。

下巻:ヴェランダーシリーズは他作品も読むのだろう。捜査官として絶えず思考し、あらゆるケースを想定し、検討・捜査する。統率するにはリーダシップ、命令、指示、叱ることも要素のひとつ。しかし、それだけでは小説は成り立たない。人となりの周りの要素、それが影響しあうことも書かれていることが大事。猪突猛進の捜査を一時停止し、否定した道をもう一度振り返って考え直し、見直してみることが重要と新所長が終盤言ったが、仕事が何であれ、生活環境が違え、立ち止まって「ちょっと待てよ!」と考え直すことの重要さを説いていると僕は感じた。

英ガーディアン紙が選ぶ「死ぬまでに読むべき」必読小説1,000冊   犯罪系:157/1,000作品中

登録情報
出版社 ? : ? 東京創元社 (2007/2/10)
発売日 ? : ? 2007/2/10
言語 ? : ? 日本語
文庫 ? : ? 384ページ
ISBN-10 ? : ? 4488209068
ISBN-13 ? : ? 978-4488209063
登録情報
出版社 ? : ? 東京創元社 (2007/2/10)
発売日 ? : ? 2007/2/10
言語 ? : ? 日本語
文庫 ? : ? 384ページ
ISBN-10 ? : ? 4488209076
内容(「BOOK」データベースより)
【上巻】夏の休暇を楽しみに待つヴァランダー警部。そんな平和な夏の始まりは、一本の電話でくつがえされた。呼ばれて行った先の菜の花畑で、少女が焼身自殺。目の前で少女が燃えるのを見たショックに追い打ちをかけるように、事件発生の通報が入った。殺されたのは元法務大臣。背中を斧で割られ、頭皮の一部を髪の毛ごと剥ぎ取られていた。
CWA賞受賞作、スウェーデン警察小説の金字塔。CWAゴールドダガー受賞作。

【下巻】斧で殺害し、頭皮の一部を剥ぐ凄惨な殺人。犯人は次々と犠牲者を増やしていった。元法務大臣、画商、そして盗品の売人。殺害方法は次第にエスカレートし、三人目は生きているうちに目を塩酸で焼かれていた。犠牲者に共通するものは?なぜ三人目は目を潰されたのか?常軌を逸した連続殺人に、ヴァランダーらの捜査は難航する。現代社会の病巣を鋭くえぐる傑作シリーズ第五弾。CWAゴールドダガー受賞作。







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