『ロウフィールド館の惨劇』ルース・レンデル(著) 2021
7/10
土曜日

原書は、Judgment in Stone, Ruth Rendell(1977)。
最初から犯人が分かっている犯罪小説。ミステリーではない。コンプレックスは他者からすれば「そんなこともあるでしょ」であっても本人からすれば最上級にばれたくないトップシークレットであって、これを隠蔽するための嘘の上塗りを重ねながら自分の首を絞めていくことになる。正直に周囲に伝えるのなら協力を得られることがあるにも係わらず、それは本人にとっては恥であって、罪であって、頑なに隠し続けることが生活のベースになってしまっている。これが本書の犯罪に結びつく伏線となっていて、心理描写が鋭利。働き者のTV好きでチョコレートバーが大好きな労働者階級のおばさんだってことだけなのに。

英ガーディアン紙が選ぶ「死ぬまでに読むべき」必読小説1,000冊   犯罪系:154/1,000作品中

登録情報
出版社 ‏ : ‎ 角川書店 (1984/6/1)
発売日 ‏ : ‎ 1984/6/1
言語 ‏ : ‎ 日本語
文庫 ‏ : ‎ 290ページ
ISBN-10 ‏ : ‎ 4042541054
ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4042541059







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