『一路(上下巻)』浅田次郎(著) 2020
7/1
水曜日

上巻:遅ればせながら読んでますが、多量に売れているようですね。史実な部分と仮想をドッキングさせた物語、人物の個性にメリハリを付け、喜怒哀楽をもうひとひねり、まわして捻じり切る、といいましょうか。それぞれ演じる役者がいる。善い人へ変化していく様も窺えて、それまた、一路の人格・誠意が作用しているような、ですね。それにしてもたくさん読まれてますね。売れすぎると、このパターンの小説しか浅田さん、書けなくなるんじゃないか、と思いますね。

下巻:バラエティーに富んだ展開で、馬さんにも、池の鯉さんにも想いを語らせる、今までの浅田氏にはないコミカルさも。参勤交代は行軍は大賛成として、旅(と俗っぽく言うが)をすると出会いと事件が起きる。話はもずれいさかいがあり、なだめすかしつつも信念と正義と忠義心やら筆頭としての貫禄さやらが交わると涙を滲まさせる。混ぜこぜにしてもまとまりをもたせるのは技能だろう、と僕は思う。

登録情報
文庫: 381ページ
出版社: 中央公論新社 (2015/4/23)
言語: 日本語
ISBN-10: 4122061008
ISBN-13: 978-4122061002
発売日: 2015/4/23
登録情報
文庫: 378ページ
出版社: 中央公論新社 (2015/4/23)
言語: 日本語
ISBN-10: 4122061016
ISBN-13: 978-4122061019
発売日: 2015/4/23

内容(「BOOK」データベースより)
(上巻)失火により父が不慮の死を遂げたため、江戸から西美濃・田名部郡に帰参した小野寺一路。齢十九にして初めて訪れた故郷では、小野寺家代々の御役目・参勤道中御供頭を仰せつかる。失火は大罪にして、家督相続は仮の沙汰。差配に不手際があれば、ただちに家名断絶と追い詰められる一路だったが、家伝の「行軍録」を唯一の頼りに、いざ江戸見参の道中へ!
(下巻)中山道を江戸へ向かう蒔坂左京大夫一行は、次々と難題に見舞われる。中山道の難所、自然との闘い、行列の道中行き合い、御本陣差し合い、御殿様の発熱…。さらに行列の中では御家乗っ取りの企てもめぐらされ―。到着が一日でも遅れることは御法度の参勤交代。果たして、一路は無事に江戸までの道中を導くことができるのか!







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