『存在の耐えられない軽さ』ミラン・クンデラ(著) 2020
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日曜日

原書は、The Unbearable Lightness of Being, Milan Kundera(1984)

当時のチェコスロバキアは隣国からの圧迫、ソビエト連邦に衛星国として蹂躙・抑圧された市民生活は、他の小説等で読んではいるものの実体験していないから、共感するも経験則が不足している。ですから本書も歴史的背景を理解していたとしても平和ボケした国で育った人には憤りや不満、革命を蜂起したい祖国愛がわかるわけはないのじゃないか、と僕は思っている。感銘した文章「人間の時間は円環状になってまわるのではなく、前方に直線に進む。だからこそ人間は幸福になることができないのだ。幸福とは反復の欲望のことなのだから。」もう一度読んだほうがいい。機会を作って。

英ガーディアン紙が選ぶ「死ぬまでに読むべき」必読小説1,000冊  ロマンス:148/1,000作品中

登録情報
ハードカバー: 390ページ
出版社: 河出書房新社 (2008/2/9)
言語: 日本語
ISBN-10: 4309709435
ISBN-13: 978-4309709437
発売日: 2008/2/9

内容(「BOOK」データベースより)
優秀な外科医トマーシュは女性にもてもて。しかし最初の妻と別れて以来、女性に対して恐怖と欲望という相反する感情を抱いている。彼は二つの感情と折り合いをつけ、複数の愛人とうまく付き合うための方法を編み出し、愛人たちとの関係をエロス的友情と呼んで楽しんでいた。そんな彼のもとにある日、たまたま田舎町で知り合った娘テレザが訪ねてくる。『アンナ・カレーニナ』の分厚い本を手にして。その時から彼は、人生の大きな選択を迫られることとなる―「プラハの春」賛同者への残忍な粛正、追放、迫害、「正常化」という名の大弾圧の時代を背景にした4人の男女の愛と受難の物語は、フランス亡命中に発表されるや全世界に大きな衝撃を与えた。今回の翻訳は、クンデラ自身が徹底的に手を入れ改訳を加えて、真正テクストと認めるフランス語版からの新訳決定版である。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
クンデラ,ミラン
1929年、チェコスロヴァキア生まれ。プラハ音楽芸術大学卒業後、同大学で文学を教える。67年、小説『冗談』で国内外で注目されるが、68年の“プラハの春”の挫折後、教職を追われ、全作品が国内発禁になる。75年、フランスに亡命、81年、同国の国籍を得る。84年発表の『存在の耐えられない軽さ』によって世界に衝撃をあたえる。現在もパリに住み、フランス語で執筆活動をつづけている







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