『スパイたちの夏』マイケル・フレイン(著) 2020
4/20
月曜日

原書は、Spies, Michael Frayn(2002)

過ぎ去りし日の郷愁に満ちた物語。子供から大人ともいえぬ半端で狭間な時。好奇心に満ち溢れ、異性の挙動に顔を赤らめ、ふとした出来事を妄想的にスリリングな展開に倒そうとする、そうであったらの希望も込めてみる。どっちつかずの子供が通過するであろう儀式のような。そして改めて子供時代の地に赴いてみて、当時の情景がフラッシュバックする。意外に「芳香」「悪臭」などの匂いも瞬時にして過去に戻す要因となる。ザ・ビートルズは♪イン・マイ・ライフ♪のビター版ともいえようか。起伏は平たんかもしれないが、僕は好きな小説のタイプだ。
英ガーディアン紙が選ぶ「死ぬまでに読むべき」必読小説1,000冊   家族・私小説:141/1,000作品中

登録情報
単行本: 285ページ
出版社: 白水社 (2003/03)
言語: 日本語
ISBN-10: 4560047634
ISBN-13: 978-4560047637
発売日: 2003/03

内容(「BOOK」データベースより)
親友のたった一言が、運命の歯車を狂わせた…。第二次大戦下のロンドン郊外。「スパイごっこ」をする二人の少年の前に見え隠れする「ドイツのスパイ」、大人たちの秘密、最後に明かされる意外な真相とは?ウィットブレッド小説賞受賞。







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