『木曜の男』G.K.チェスタトン(著) 2020
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木曜日

原書は、The Man who was Thursday, GK Chesterton(1908)
無秩序、恐慌、破壊的な無政府主義に対局する秩序を維持し、法の行使ができる○○。蓋を開けてみたら同じ穴の狢だった○○達が登場する奇天烈な話。されど、根底に根差すところのコスモポリタニズムを伝承したいのであろう。キリストの創成期、第○日目に扮する登場人物、曜日の役割に代弁させた行動、発言が「なるほどね」と終盤に収斂していくところがチェスタトンの作家としての力量を見せつけているのではないか。中盤まで「どこに行きつくのか、この小説は?」とややダレ気味だったのも事実。この小説を○の中のお話にしてしまうところが、ちょっと霧の中、現実を棚上げしてしまう戦略なのかもしれない。○の多い書評かな。

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木曜の男 (創元推理文庫 101-6) 登録情報
文庫: 239ページ
出版社: 東京創元社 (1960/1/10)
言語: 日本語
ISBN-10: 4488110061
ISBN-13: 978-4488110062
発売日: 1960/1/10

内容紹介
無政府主義者の秘密結社を支配している、委員長〈日曜日〉の峻烈きわまりない意志。次々と暴露される〈月曜〉、〈火曜〉……の各委員の正体。前半の奇怪しごくな神秘的雰囲気と、後半の異様なスピードが巧みにマッチして、謎をいっそう奥深い謎へとみちびく、諷刺と逆説と、無気味な迫力に満ちた逸品として、一世を驚倒させた著者の代表作!







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