『双生児(上下巻)』クリストファー・プリースト(著) 2020
2/10
月曜日

原書は、THE SEPARATION by Christopher Priest(2002)

上巻:戦闘機・爆撃機ものはたくさん読むのでヨーロッパ戦線の時代背景、戦闘機・爆撃機の描写はよくわかる。「ちょっと、これはどうゆうこと?」の謎を含有しつつ、下巻を楽しむことにしよう。

下巻:卵が同じで同じ環境で育ち教育を受ければ双生児が相似するのは当然。本来、引き合う因子が、戦時を境に分離した境遇に歩みはじめた。これに英独中心に欧州のヨーロッパ戦線の史実を織り交ぜた展開がテンポよく小気味よい。トリッキーな部分の謎証だけではなく戦争がもたらす破壊、殺戮、家族の離散、政治・軍事の一方的抑圧・弾圧を噛みしめよう。1941/5/10、本編では英独が和平条約を結びユダヤ人の大量虐殺なく、ヒトラーが失墜。さすれば世界の歴史も大きく変わっていただろう。史実なら同年12/8、日本は真珠湾攻撃をしただろうか。

双生児(上) (ハヤカワ文庫FT) 登録情報
文庫: 368ページ
出版社: 早川書房 (2015/8/21)
言語: 日本語
ISBN-10: 4150205787
ISBN-13: 978-4150205782
発売日: 2015/8/21
双生児(下) (ハヤカワ文庫FT) 登録情報
文庫: 352ページ
出版社: 早川書房 (2015/8/21)
言語: 日本語
ISBN-10: 4150205795
ISBN-13: 978-4150205799
発売日: 2015/8/21

内容紹介
上巻:1999年英国、著名な歴史ノンフィクション作家スチュワート・グラットンのもとに、J・L・ソウヤーなる人物の回顧録原稿が持ちこまれる。第二次大戦中に活躍した英国空軍爆撃機の操縦士でありながら、同時に良心的兵役拒否者だったJ・L・ソウヤーとはいったいどんな人物なのか……。稀代の物語の魔術師が、持てる技巧のすべてを駆使して書き上げた、最も完成された小説。アーサー・C・クラーク賞、英国SF協会賞受賞作

下巻:1936年、オックスフォード大学ボート部所属のジャック・ソウヤーとジョー・ソウヤーは、ベルリン・オリンピックに舵なしペア英国代表として出場、見事銅メダルを獲得した。だが帰国後、一卵性双生児の二人の運命は決して交わることなく、一方は空軍爆撃機操縦士として、もう一方は国際赤十字職員として第二次大戦下の混沌たる世界をさまよっていった……。歴史に翻弄される二人の男の人生を虚実入り乱れた語りで描く大作







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