『鍵』谷崎 潤一郎(著) 2019
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日曜日

先日読んだ「瘋癲老人日記」谷崎潤一郎と同様の類。夫と妻の「日記」が綴られ物語は進む。1956年(昭和31年)、中央公論掲載で世間や国会でも物議を交わしたようだ。当時としては赤裸々な描写(今でいえば随分控えめではあるが)だったのか。20年を超えた夫婦生活の有り様からすると、とてつもなく有体でないということか。しかし、いいのじゃないかな、このような夫婦関係は。微笑ましく読ませてもらった。アマゾンPRIMEで映画を検索すると1997年に映画化されているのですね。出演は、川島なお美, 柄本明, 大沢樹生となっている。

鍵 (中公文庫 (た30-6)) 登録情報
文庫: 240ページ
出版社: 中央公論新社 (1973/12/10)
言語: 日本語
ISBN-10: 412200053X
ISBN-13: 978-4122000537
発売日: 1973/12/10
内容(「BOOK」データベースより)
七十七歳の卯木督助は“スデニ全ク無能力者デハアルガ”、踊り子あがりの美しく驕慢な嫁颯子に魅かれ、変形的間接的な方法で性的快楽を得ようと命を賭ける―妄執とも狂恋とも呼ぶべき老いの身の性と死の対決を、最高の芸術の世界に昇華させた名作。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
谷崎/潤一郎
明治19年(1886)、東京日本橋に生まれる。旧制府立一中、第一高等学校を経て東京帝国大国文科に入学するも、のち中退。明治43年、小山内薫らと第二次「新思潮」を創刊、「刺青」「麒麟」などを発表。「三田文学」誌上で永井荷風に激賞され、文壇的地位を確立した。『痴人の愛』『卍(まんじ)』『春琴抄』『細雪』『少将滋幹の母』『鍵』など、豊麗な官能美と陰翳のある古典美の世界を展開して常に文壇の最高峰を歩みつづけ、昭和40年7月没。この間、『細雪』により毎日出版文化賞及び朝日文化賞を、『瘋癲老人日記』で毎日芸術大賞を、また、昭和24年には、第8回文化勲章を受けた。昭和16年、日本芸術院会員、昭和39年、日本人としてはじめて全米芸術院・アメリカ文学芸術アカデミー名誉会員に選ばれた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)



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