『ジャマイカの烈風』リチャード・ヒューズ(著) 2019
12/1
日曜日

原書は、A High Wind in Jamaica, Richard Hughes(1929)

海賊と言えども大砲襲撃をするわけではなく、誰かを傷つけることなく平穏に略奪しようという本書登場の海賊は毛色としてはユニークだろう。英国に送り届けるために乗った客船の少年少女たちが不遇な事件に巻き込まれてしまう。というより子供達は柔軟性があり、日々を楽しむかに過ごす。船長、航海士、エミリー、マーガレット、他、心情も行動も観察眼すばらしく立場立場をリアルに捉えているだろう。最後の裁判では船長ジョンセン、何とかして助けてあげられなかったものかと歯痒くなった。それでも海賊が正当化される所以はどこにもなく、「海賊家業」が商売にならず衰退期の時代でもあったのだろう。帆船(表紙)の活動が生き生きと描写されてもいる。○に近い△か。

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ジャマイカの烈風 (必読系!ヤングアダルト) 登録情報
単行本: 256ページ
出版社: 晶文社 (2003/9/26)
言語: 日本語
ISBN-10: 4794918348
ISBN-13: 978-4794918345
発売日: 2003/9/26
内容(「BOOK」データベースより)
ジャマイカの農園から故国イギリスへと船出した子供たちを待ち受けていたのは、海賊船の襲来だった。その日から海の男たちと子供たちの奇妙な船上生活が始まる。突発した殺人事件をめぐって、無邪気な幼い心がもたらした恐るべき結末とは―。人間についての真実を天啓のように示した、『蠅の王』にも通ずる伝説的古典。



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