『博物館の裏庭で』ケイト・アトキンソン(著) 2019
11/21
水曜日

原書は、Behind the Scenes at the Museum, Kate Atkinson(1995)。ある一族の物語。僕は、アリス世代、ルネ世代の出来事に共感もし、しっくりくる。例えばアリスの夜逃げ、リリアンとネル、フィアンセとの出会いとすり替え、第一次世界大戦の悲劇など。主人公でもあるルビーは受精した直後の子宮の中で既に記憶があり、一族の語り手として有益なのだが。一族の世代を巡り様々な出来事が勃発。バンディ-ルビー世代はネタを仕込み過ぎなのと出来事がめまぐるしくて僕にはしっくりこない。受けを狙いすぎているというか。そしてルビーの思考に一貫性がないために共感し辛いというのか、戸惑ってしまう。戦死、不慮の事故死、老衰死などの[死]と、家出類の[蒸発]を物語を紡ぐのに使いすぎではないかな。

英ガーディアン紙が選ぶ「死ぬまでに読むべき」必読小説1,000冊   家族私小説:124/1000冊中

博物館の裏庭で (新潮クレスト・ブックス) 登録情報
単行本: 484ページ
出版社: 新潮社 (2008/08)
言語: 日本語
ISBN-10: 4105900692
ISBN-13: 978-4105900694
発売日: 2008/08

内容(「BOOK」データベースより)
1952年、英国の古都ヨークの平凡な家庭に生まれたルビー・レノックス。一家はペットショップを営み、お店の2階に暮らしている。部屋の片隅に眠る、古ぼけた写真、ピンク色のボタン、兎の脚のお守り。そんな小さなものたちが、それぞれの時代の記憶を語り始める―。はかない初恋や、家族とのいざこざ、異国への憧れ。そして、ルビーの母の、祖母の、曾祖母たちの平穏な日々を突然奪っていった、2度の戦争。ルビーの人生を主旋律とする物語は、さかのぼる三代の女たちの人生と響き合いながら、一族の壮大な歴史を奏でる。ウィットブレッド賞を受賞した、現代の「偉大なる英国小説」。







Copyright (C) 2019 Shougo Iwasa. All Rights Reserved.