『ブラックウォーター』ジョイス・キャロル・オーツ(著) 2019
7/9
火曜日

原書は、BLACK WARTER(1992)。

前読「とうもろこしの乙女、あるいは七つの悪魔」に続くジョイス・キャロル・オーツの単独作品の二作目。時間軸の使い方がこなれていて、ある事件をきっかけに過去(子供の頃、学生時代、直近含め)と現在の現実とを陽炎のような回想がシームレスなスイッチングで、ストーリーとしては全体に単調な流れに凹凸を与えている。ところで本書で著者は何を伝えたかったのか。チャパクィディック事件(1969)/(※注1)が下地となっているらしいが、著名な政治家は事故を起こしてももみ消し工作をして傷を残さず、一途で純情な政治に役立ちたいとした女性が溺れ死んでも、それはそれ。そんなことは許されるべからず、が伝えたいことか?

(※注1)出典:ウィッキペディア:チャパキディック事件

登録情報
単行本: 213ページ
出版社: 講談社 (1992/11)
言語: 日本語
ISBN-10: 4062060841
ISBN-13: 978-4062060844
発売日: 1992/11
内容(「BOOK」データベースより)
1969年7月、ケネディ家末弟で上院議員のエドワード・ケネディは若い女性秘書を乗せてドライブに出た―。数時間後、クルマは橋から転落、ケネディだけが脱出し、女は水死した。警察への連絡は9時間後。いったい何が起きたのか?“ケネディ家第3の悲劇”を小説化。



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