『短編画廊 絵から生まれた17の物語』
ローレンス・ブロック、スティーヴン・キング、ジェフリー・ディーヴァー、その他(著)
2019
7/2
火曜日

原書は、IN SUNLIGHT OR IN SHADOW(2019)。

久々新刊。画家エドワード・ホッパー(Edward Hopper)にインスパイアされた短篇17作品が並ぶ。マイクル・コナリーのナイトホークスに登場することが知るきっかけだった。風景画もあるが、彼が描く女性は摩訶不思議な情念で描かれていて、見る人にそれぞれ別々の物語で語りかけてくるのではないか。僕にはそう感じる。

さて、一篇ずつコメントすると日が暮れるので、収録作品のひとつ「午前11時に会いましょう」ジョイス・キャロル・オーツ、文中から『男がほしいもの。それはほかの男に欲しがられる女だ。ただし、自分から気を惹いたりせず、注目されていることにさえ気付かない女なのだろう。』ここまで見抜くか、キャロルさんよ。女性作家ながらの男も女も心情を鋭利に抉り出す箇所多数。底力。他作品漁ってみようと心にメモした。

登録情報
単行本: 480ページ
出版社: ハーパーコリンズ・ ジャパン (2019/6/17)
言語: 日本語
ISBN-10: 4596552096
ISBN-13: 978-4596552099
発売日: 2019/6/17

内容紹介
すべての絵には、物語がある。

名だたる作家17人による文豪ギャラリー
奇才エドワード・ホッパーに捧げる短編集。

米国を代表する名画家、エドワード・ホッパー(1882-1967)。
作家ローレンス・ブロックは、ホッパーの作品は「絵の中に物語があること、その物語は語られるのを待っていること」を強く示唆していると語り、ホッパーの絵から物語を紡ぐこの短編集を考えついた。彼の呼びかけに集まったのは、スティーヴン・キング、ジェフリー・ディーヴァー、マイクル・コナリー、リー・チャイルド……といった錚々たる顔ぶれ。各々の個性を遺憾なく発揮した華麗なる文豪ギャラリーが、ここに幕を開けた――。

○収録作品
「ガーリー・ショウ」ミーガン・アボット 小林綾子 訳
「キャロラインの話」ジル・D・ブロック 大谷瑠璃子 訳
「宵の蒼」ロバート・オレン・バトラー 不二淑子 訳
「その出来事の真実」リー・チャイルド 小林宏明 訳
「海辺の部屋」ニコラス・クリストファー 大谷瑠璃子 訳
「夜鷹 ナイトホークス」マイクル・コナリー 古沢嘉通 訳
「11月10日に発生した事件につきまして」ジェフリー・ディーヴァー 池田真紀子 訳
「アダムズ牧師とクジラ」クレイグ・ファーガソン 不二淑子 訳
「音楽室」スティーヴン・キング 白石 朗 訳
「映写技師ヒーロー」ジョー・R・ランズデール 鎌田三平 訳
「牧師のコレクション」ゲイル・レヴィン 中村ハルミ 訳
「夜のオフィスで」ウォーレン・ムーア 矢島真理 訳
「午前11時に会いましょう」ジョイス・キャロル・オーツ 門脇弘典 訳
「1931年、静かなる光景」クリス・ネルスコット 小林綾子 訳
「窓ごしの劇場」ジョナサン・サントロファー 矢島真理 訳
「朝日に立つ女」ジャスティン・スコット 中村ハルミ 訳
「オートマットの秋」ローレンス・ブロック 田口俊樹 訳

*エドワード・ホッパーの絵画18点をフルカラーで挿入







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