『狩りのとき(上下巻)』スティーヴン・ハンター(著) 2019
6/12
水曜日

原書は、TIME TO HUNT(Vol.1/Vol.2)(1998)。

本シリーズ、益々にスケールアウト、且つスケールアップをなし、米国VSソビエト(ロシア)の構図まで持ち出し、アメリカの恥部であるヴェトナム戦争の傷口に塩をたっぷり塗布したてんこ盛りハードボイルドといえる。さらにヒーローのボブ・スワイガーはファンのよくぞ知る人物ときている。専門家のアドバイスも精緻さ・緻密さが、本書を更にリアリティ溢れる小説に昇華させている。スナイパー同士の一騎打ち、スローモーションの如く、互いの目線・思考・行動で盛り上げているが、小説だからこそのくどさが鼻につく。また状況説明が冗長・重複箇所が何箇所もあり、2割ほど削ればシェイプアップした小説に生まれ変わるのにと思うのは僕だけかもしれない。

登録情報
文庫: 477ページ
出版社: 扶桑社 (1999/9/1)
言語: 日本語
ISBN-10: 4594027733
ISBN-13: 978-4594027735
発売日: 1999/9/1
登録情報
文庫: 499ページ
出版社: 扶桑社 (1999/9/1)
言語: 日本語
ISBN-10: 4594027741
ISBN-13: 978-4594027742
発売日: 1999/9/1

内容(「BOOK」データベースより)
上巻:1971年ワシントンDC。二十二歳になる海兵隊所属ダニー・フェンはかの地ヴェトナムでの軍務をはたし本国へ帰還、退役まで一年余りとなっていた。その彼に海軍情報部の人間が接触して来た。ダニーと同じ隊に所属する一等兵の行動を監察し報告せよと言うのだ。彼は反戦活動家に情報を流していると言う。拒否すればヴェトナム送りだと脅されダニーはしぶしぶ従うが、証言を求められると決然とそれを拒否した。再びヴェトナムに赴いたダニーは狙撃ティームに編入されその上官が練達のスナイパー、ボブ・スワガーだった。
下巻:ダニーとボブの狙撃ティーム“シエラ・ブラヴォー・フォー”は幾多の戦闘を勝ち抜く。が、北ヴェトナム軍を支援するソ連は超人的な射撃技術と精神力を持つスナイパーを送り込んで来たのだ。ボブ・リー・スワガー海兵隊一等軍曹対謎のロシア人スナイパーの狡知を極めた闘いが繰り広げられる。だがこの闘いはダニーを失ったところで中断されることに…。そして永い時間が経過し舞台は米国国内へ移る。ひっそりと牧場に暮らすボブ・スワガー一家を狙ってあのロシア人スナイパーが現れた。







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