『ダーティホワイトボーイズ』スティーヴン・ハンター(著) 2019
6/1
土曜日

原書は、DIRTY WHITE BOYS(1994)。

本書、極大射程、ブラックライトの間に位置する作品だが、極大、ブラックライトに続いて読んだ。しかし、単独作品として充分独立性があるといえるだろう。バド(巡査部長)とラマー(脱獄犯)は両主役といっていい。バドの家庭を守らなければという父親、夫としての役割と、妻を愛せない、それ以上にときめき没頭すべき被写体の間で葛藤する男心、所詮、雄ではないか、でもその気持ちから逃げ切る、振り切ることは絶対にないだろうと共感した。ラマーは凶悪だけれど愛があって心から憎めない人物像となっている。全般としてスリリングでよいのではないか。

登録情報
文庫: 737ページ
出版社: 扶桑社 (1997/2/1)
言語: 日本語
ISBN-10: 4594022006
ISBN-13: 978-4594022006
発売日: 1997/2/1

内容(「BOOK」データベースより)
オクラホマ州立マカレスター重犯罪刑務所に収監されていた終身囚ラマー・パイはシャワールームで黒人受刑者を殴り殺した。黒人たちの逆襲を恐れた彼は看守を脅し、子分二人をつれて脱獄に成功する。迷いなく邪魔者を殺して進む、生まれながらの悪の化身ともいうべきラマーとその一行は銃を手にいれ、車を奪い、店を襲い、警察を嘲笑するかのように、ひたすら爆走し、破壊しつづける!『真夜中のデッド・リミット』のスティーヴン・ハンターが圧倒的な筆力で描く、驚異の悪漢バイオレンス超大作。







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