『時計じかけのオレンジ』アントニイ・バージェス(著) 2019
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日曜日

原書は、A Clockwork Orange, Anthony Burgess(1962)。
斬新で奇想天外、ハチャメチャだが、感情移入できた作品。まず、タイトルが光る。主人公アレックスの人格形成部分に何が作用したのか(両親も普通の親)、腑に落ちない。あのような非道な暴力に明け暮れる、そのなれの果て、行き着く先は当然の場所だったが。その彼を改心させるべく国家的プロジェクトの洗脳のシーンが光る。毒には毒を。少年から大人になる過程で誰もがこのようにはならないが、やんちゃな子供達がマイルドになっていく(なっていかないのも多いが)。映画より本書に軍配が上がるだろう。結局、原作には勝てない。ほぼスラングを多用した語り。ハラショーなのだ。

英ガーディアン紙が選ぶ「死ぬまでに読むべき」必読小説1,000冊>SF/ファンタジー:111/1,000

登録情報
ペーパーバック: 318ページ
出版社: 早川書房 (2008/9/5)
言語: 日本語
ISBN-10: 4151200525
ISBN-13: 978-4151200526
発売日: 2008/9
内容(「BOOK」データベースより)
近未来の高度管理社会。15歳の少年アレックスは、平凡で機械的な毎日にうんざりしていた。そこで彼が見つけた唯一の気晴らしは超暴力。仲間とともに夜の街をさまよい、盗み、破壊、暴行、殺人をけたたましく笑いながら繰りかえす。だがやがて、国家の手が少年に迫る―スタンリー・キューブリック監督映画原作にして、英国の二十世紀文学を代表するベスト・クラシック。幻の最終章を付加した完全版。



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