原書は、The Old Man and the Sea, Ernest Hemingway(1952)。1954年ノーベル文学賞を受賞。「武器よさらば」に続く二作目。しかし、そんなに名作なのかなと感じる部分はありますが。しかしながら、この老人、80歳を超えているのに強いのだ。ええ、あれだけ鮫に攻められても勇猛果敢に舵や刃物でぶん殴ったり突いたり、棒で殴りまわして退治したり、退散させたり、船も壊れず転覆せず。とても85歳のじじいとは思えない。これは漂流記かと言えばそうではない。喉の渇きや恐怖、日焼けの苦しみ、絶望感は皆無、じじいは前向きなのだ。こんなじじいはいないだろう、と。されど、子供とじいさんが互いに思い遣り気遣う気持ちは瑞々しい。そのくらいです。


＜英ガーディアン紙が選ぶ「死ぬまでに読むべき」必読小説1000冊＞家族・私小説：103/1,000

	登録情報 文庫: 170ページ 出版社: 新潮社; 改版 (2003/05) 言語: 日本語 ISBN-10: 4102100040 ISBN-13: 978-4102100042 発売日： 2003/05
内容紹介 さあ、殺せ、どっちがどっちを殺そうとかまうこたない。 来る日も来る日も一人小舟に乗り、出漁する老人――大魚を相手に雄々しく闘う漁夫の姿を通して自然の厳粛さと人間の勇気を謳う名作。 キューバの老漁夫サンチャゴは、長い不漁にもめげず、小舟に乗り、たった一人で出漁する。残りわずかな餌に想像を絶する巨大なカジキマグロがかかった。4日にわたる死闘ののち老人は勝ったが、帰途サメに襲われ、舟にくくりつけた獲物はみるみる食いちぎられてゆく……。徹底した外面描写を用い、大魚を相手に雄々しく闘う老人の姿を通して自然の厳粛さと人間の勇気を謳う名作。