『高慢と偏見』ジェイン・オースティン(著) 2019
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金曜日

本書は、Pride and Prejudice, Jane Austen(1813)。19世紀の英国小説は何冊か読んではいるが、本書が人気なのは作者ジェインの見識眼が甘ったるいものだけではなく、核心を突くべく観察眼が鋭利であることがひとつ挙げられよう。当時、まして英国の階級制度は今のイギリスでもそうだろうが顕著にあって、ジェントリー、地主階級の生活習慣が垣間見れてなんというのやら呆れかえるやら育ちの地金というのは隠しようがないというのやら。主人公であるエリザベス(リジー、エライザ)のプリンシプルが当時の女性としては際立ってぶれない芯が僕は好感がもてた。映画も観ようと思っていて、キーラ・ライトレイの「プライドと偏見」を小説だけではイマジネーションしきれなかった情景を補完してみるつもりでいる。

英ガーディアン紙が選ぶ「死ぬまでに読むべき」必読小説1000冊>ロマンス:98/1,000


出典:https://blogs.yahoo.co.jp/kims_room_xx/725592.html
●原作者:ジェイン・オースティン(1775~1817)イギリスの牧師の次女として生まれる。
●高慢と偏見の時代背景(1813年出版 日本では江戸時代後期みたいです)
主人公エリザベス・ベネットの父は地所を持つ紳士だが、母は商人の家の出身なので、上流階級の人々からは一段低い家柄と軽蔑されている。
ベネット夫妻には男の子がいないため、土地は全て遠縁のコリンズ牧師によって相続されることになっていた。娘にとっては、かなりの社会的地位と資産を持つ男との結婚以外には将来の生活保障はなく、ベネット夫人は5人の娘に条件のいい結婚をさせようと躍起になっている。
当時は、ある程度の身分以上の階級に生まれた女の子が、生涯独身を続け、何かの職業に就いて自活していくというのは、とんでもない破廉恥行為。唯一家庭教師だけは良家の令嬢に許された自活の道だったが、それですら周囲からの嘲笑や冷たい目にさらされずにはいられなかった。

●登場人物
ベネット家(ロングボーン・ハウス)
 ベネット氏:ハーフォードシャー州ロングボーン村の地主(ジェントリー階級)年収2千ポンド。
   頭の回転の速さと辛らつなユーモアと、冷たさと気まぐれが奇妙に入り混じった複雑な人物。
 ベネット夫人:ベネット氏と結婚して23年。父親はメリトンの町の事務弁護士。
   大変単純な人物。頭も良くないし、教養もないし、情緒も不安定。人生の楽しみは世間話。
 ジェイン:ベネット家の長女。22歳
   大変な美人で、頭はいいのに、他人の欠点だけは見えなくて、天使のように心がやさしい。
 エリザベス(リジー):主人公。ベネット家の次女で20歳。
   陽気で冗談好きで、観察力が鋭くて独立心旺盛で、「元気はつらくとした知性」の持ち主。
 メアリー:三女、器量が悪いため、教養と芸事を身につけることに人一倍努力し、成果を見せたがる。
 キャサリン(キティー):四女、意志薄弱で怒りっぽくて、なんでも妹のいいなり。
 リディア:五女、陽気な顔立ちで、こわいもの知らずで、男にちやほやされることはかり考えている。

フィリップス家(メリトンに住むベネット夫人の姉一家)
  フィリップス夫人:姉と同じで品がなくてゴシップ好き。

ガーディナー家(ベネット夫人の弟夫婦。ロンドンの商人。エリザベスの良き相談相手)
 ガーディナー氏:人間的にも教育の点でも、姉達とは大違いの立派な人物。
 ガーディナー夫人:聡明で上品で心の温かい女性。結婚前はダービシャー州のラムトンに住んでいた。

コリンズ氏:ケント州ハンズフォード教区の牧師。ベネット氏の甥。25歳。
   高慢と追従と、尊大と卑下が混じり合った奇妙奇天烈な人間。

ルーカス家(ベネット家の隣人)
 サー・ウィリアム・ルーカス:元はメリトンの街の商人だが、功績が認められナイトの爵位を持つ
   上流階級の話題がなによりも大好き。
 ルーカス夫人:ベネット夫人の友人。平凡かつ善良な夫人で、頭もあまりよくない。
 シャーロット:ルーカス家の長女。27歳。エリザベスの友人。
   頭が良くてしっかり者で、男性や結婚生活に憧れているわけではないが、結婚はつねに彼女の目標。

ビングリー家(ベネット家の近くのネザーフィールド屋敷を借りる)
 ビングリー氏(チャールズ):父の代に商売で財を成した、年収4、5千ポンドの独身青年。
   陽気で気さくで素直な性格で、どこへ行ってもみんなに好かれる。
 ミス・ビングリー(キャロライン):ビングリー氏の妹。
   ロンドンの一流の専門学校で教育を受け、服装も物腰も洗練の極みだが、たいへんお高い感じ。
 ハースト夫人(ルイーザ):ビングリー氏の姉。
   妹と同じ。夫のハースト氏は、料理と酒とトランプゲームのことしか頭に無い怠け者。

ダーシー家(ダービシャー州ペンバリー屋敷)
 ダーシー氏(フィッツウィリアム):ペンバリー屋敷の当主。年収1万ポンド(現在の約一億円)母は貴族の娘。28歳
   地位も財産も美貌も頭脳もすべて揃っているが、無口で気難しい感じで、「世界一高慢でいやなやつ」?
 ミス・ダーシー(ジョージアナ):ダーシー氏の妹。16歳。内気で恥ずかしがり屋

キャサリン・ド・バーグ夫人:ケント州ロージングズ屋敷の当主で下級貴族。ダーシー氏の叔母。
   つねに威張った感じで、尊大な性格
 ミス・ド・バーグ(アン):キャサリン夫人の一人娘。病人みたいに弱々しい感じ。

フィッツウィリアム大佐:伯爵家の次男で、美男子ではないが姿も態度も実に立派な紳士。

ウィッカム氏:ダーシー家の執事の息子。美しい顔、すらりとした姿、感じのいい物腰のいい男。

登録情報
文庫: 669ページ
出版社: 中央公論新社 (2017/12/22)
言語: 日本語
ISBN-10: 4122065062
ISBN-13: 978-4122065062
発売日: 2017/12/22

内容紹介
幸福な結婚にはどんな人が理想の相手だろう。経済的理由で好きでもない人と結婚していいものだろうか。作家ジェーン・オースティンが亡くなってから200年たつ今日も、結婚を考える女性の悩みは変わっていない。皮肉屋で誤解されやすいが誠実なダーシーと賢いようでいてそそっかしいエリザベスの、誤解からはじまるラブロマンスは、いつ読んでもみずみずしく、オースティンの優れた人間観察に基づく細やかな心理描写は、ときおり毒もはらむが示唆に富み、幸福な気持ちにさせてくれる。この不世出の名作を、読みやすい典雅な新訳で贈る。愛らしい十九世紀の挿絵三十余点収載。







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