『青の寝室---激情に憑かれた愛人たち』ジョルジュ・シムノン(著) 2019
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日曜日

原書は、The Blue Room, Georges Simenon(1964)。不倫のお話。それが事件へと発展する。婚姻制度が法的な縛りや税制面での優遇が無く、既婚者の誰もが自由な恋をすることの足枷にならないのなら、結婚は無用の長物に成り下がってしまうが・・。本書は不倫関係をもつ男女に警鐘鳴らすためなのか。(著者はフランスの陪審員制度に批判的だったと解説に) 「恋に落ちる(落ちた)」人間のもつポジティブなエネルギー、活力は誰にも歯止めがかけられず、抑圧されるほどに膨張する。僕は真剣勝負をする正直なアンドレに最大級の好感をもった。逆にトニーはだらしないね。家庭を守りたいのにアレが自由奔放すぎて制御不能だし。雄の宿命でもあるけれど。


英ガーディアン紙が選ぶ「死ぬまでに読むべき」必読小説1000冊>犯罪系:97/1,000

登録情報
単行本: 202ページ
出版社: 河出書房新社 (2011/2/28)
言語: 日本語
ISBN-10: 4309205585
ISBN-13: 978-4309205588
発売日: 2011/2/28

内容(「BOOK」データベースより)
フランスの田舎町トリアン、妻子ある自営業者トニーと食料品店の妻アンドレは、9月のある夜、郊外の森の中で突如火がついたように互いの身体を求め合う。それからの数カ月、二人はトニーの弟が経営するホテルの青い色で統一された部屋で激しい性行為を繰り返す。しかし、ある出来事から周囲の視線に怯えるようになったトニーは、アンドレから距離を置くようになる。情熱的なアンドレは逆にトニーを追い込んでゆく。そしてついに、アンドレの夫とトニーの妻の毒殺死体が別々の場所で発見される。二人を巡るスキャンダルが町中に広がる。そして二人は夫殺し、妻殺しの罪状で逮捕され、陪審裁判にかけられる…。






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