『嵐が丘』エミリー・ブロンテ(著) 2018
11/29
木曜日

本書は、Wuthering Heights, Emily Bronte(1847)。ロマンスにカテゴライズされる。時代が時代の書きっぷり、潮流というものはある。電気もガスもなく、民主主義でもなく、法整備が今ほどでもなく、日本では江戸期ということを念頭に置いて読み始めていただくのがよろしいかと。明けても暮れても悔恨、絶望、苦痛の織りなす復讐劇、そして所々ロマンスが繰り広げられる。ヒースクリフという人物の虐げられた生い立ち、脳の襞に歯垢の如くへばりついた復讐心、何をもっても溶かし得ない死ぬまで一人の女性を想い続けるパワー、それは成就しない歯がゆさに読み手は苛立ち、「幸せにしてやれよ、さっさと」といった読者の祈りは裏切り続けられるのですね、小気味よく。正直、僕は退きますね。

 (ガーディアン必読1000冊:ロマンス 91作品読了/1,000)

登録情報
ペーパーバック: 707ページ
出版社: 新潮社 (2003/6/1)
言語: 日本語
ISBN-10: 410209704X
ISBN-13: 978-4102097045
発売日: 2003/6/1

内容紹介
永遠の恋愛小説。待望の新訳成る!

寒風吹きすさぶヨークシャーにそびえる〈嵐が丘〉の屋敷。その主人に拾われたヒースクリフは、屋敷の娘キャサリンに焦がれながら、若主人の虐待を耐え忍んできた。そんな彼にもたらされたキャサリンの結婚話。絶望に打ちひしがれて屋敷を去ったヒースクリフは、やがて莫大な富を得、復讐に燃えて戻ってきた……。一世紀半にわたって世界の女性を虜にした恋愛小説の“新世紀決定版”。







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