『炎の色(上下巻)』ピエール・ルメートル(著) 2018
11/25
日曜日

3年前に読んだ「天国でまた会おう」の続編、全三部作になるという。ルメートルは他に「監禁面接」「悲しみのイレーヌ」「その女アレックス」「死のドレスを花婿に」「傷だらけのカミーユ」と読んできたので、贔屓作家のひとりとしていいだろう。

【上巻】「天国でまた会おう」の続編にあたる。(全三部作) 登場人物の一部は引き継がれているが、別のお話としていいだろう。よって、前作を読んでいなくてもお話に置いていかれることはない。

【下巻】全体的によく練られているとは思うが、すべての根源はマドレールが蒔いた、身から出た錆なんじゃないかと。復讐劇はそれとして、そこまで不幸にさせる必要があったのか。息子ポールの苦しみは君のせいではないのか、と。「天国でまた会おう」の荒廃とした中にも善悪が正義としてあり印象に残る小説であったが、本書は善悪が捻れの逆転をしているようで後味がスッキリしないと感じるのは僕だけか。
どこかで第三部が出るのだよね。どうしよう?

登録情報
文庫: 336ページ
出版社: 早川書房 (2018/11/20)
言語: 日本語
ISBN-10: 4151814531
ISBN-13: 978-4151814532
発売日: 2018/11/20
登録情報
文庫: 320ページ
出版社: 早川書房 (2018/11/20)
言語: 日本語
ISBN-10: 415181454X
ISBN-13: 978-4151814549
発売日: 2018/11/20

内容紹介
【上巻】『天国でまた会おう』三部作、第2弾! 莫大な遺産を相続した女に襲いかかる魔手。窮地に立たされた彼女が選んだ道とは?『その女アレックス』の名手による傑作登場!

【下巻】裏切りによりすべてを失ったマドレーヌ。彼女は復讐を決意する。ファシズムの足音が聞こえる第二次世界大戦前のパリを舞台に展開する、息もつかせぬ傑作サスペンス!






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