『二都物語』チャールズ・ディケンズ(著) 2018
11/14
水曜日

原書は、A Tale of Two Cities, Charles Dickens(1859)。時代は18世紀、フランス革命に触発されて執筆されたロンドン&パリが舞台となっている。貴族階級に搾取され、蹂躙され、若い女性は嬲られ一般市民の堪忍袋の緒が切れた反逆心が暴徒となって、貴族だけでなく罪なき市民までギロチンに頸を断裁されていく。市民達は貧しく飢えていて、どうしようもない閉塞感だったことは気の毒というか時代が民主化していくなかで避けられなかったことだったのか。読んでいて絶えず憤懣感といえばいいか、なんとかならないのか世の中の秩序の乱れ、どこに正義があるのかと項垂れてしまう。しかし終盤は友情と家族の絆、身を挺する献身さに心に灯が点るでしょう。名作に一票。


 (ガーディアン必読1000冊:社会派:88作品読了/1,000)

登録情報
文庫: 666ページ
出版社: 新潮社 (2014/5/28)
言語: 日本語
ISBN-10: 410203014X
ISBN-13: 978-4102030141
発売日: 2014/5/28

内容紹介
フランスの暴政を嫌って渡英した亡命貴族のチャールズ・ダーネイ、人生に絶望した放蕩無頼の弁護士シドニー・カートン。二人の青年はともに、無実の罪で長年バスティーユに投獄されていたマネット医師の娘ルーシーに思いを寄せる。折りしも、パリでは革命の火が燃え上がろうとしていた。時代の荒波に翻弄される三人の運命やいかに? 壮大な歴史ロマン、永遠の名作を新訳で贈る。







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