『ウースター家の掟』P.G. ウッドハウス(著) 2018
8/23
木曜日

原書はThe Code of the Woosters, PG Wodehouse(1938)。ウッドハウス、僕には長編2作品目。ストーリーはばかばかしいほどシンプルで最後の着地も、それだけ、ということなのだが、文章が精密に幾度も推敲を重ねたであろう、痕跡が随所に窺える。「日常会話でそんなしゃべり方はしないでしょう、ねぇ、まったく」ときたもんだが、英国秘伝のコメディータッチで、ナチ帝国が築かれていたこの時代、庶民の気分転換、笑いの世界へ一抹の逃避行動をしてもよいではないか、「どうぞ、どうぞ、気疲れをぶっ飛ばすのよ」は大変宜しいことなのである。本書は英国文化が日本風土に迎合できず、訳すには難しい風味があるのかもしれないと感じた。

 (ガーディアン必読1000冊:コメディー 76作品読了/1,000)

ウースター家の掟 (ウッドハウス・コレクション)
P.G. ウッドハウス Pelham Grenville Wodehouse
4336047618
登録情報
単行本: 387ページ
出版社: 国書刊行会 (2006/3/1)
言語: 日本語
ISBN-10: 4336047618
ISBN-13: 978-4336047618
発売日: 2006/3/1

内容(「BOOK」データベースより)
バーティーついに刑務所入りか?極北的理不尽美少女の無理難題を前に、またまたスープに浸かり続けるご主人様。ありとあらゆる難問を解決し続ける天才執事ジーヴス、今回のお手並みはいかに。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
ウッドハウス,P.G.
1881年イギリスに生まれる。1902年の処女作『賞金ハンター』以後、数多くの長篇・短篇ユーモア小説を発表して、幅広い読者に愛読された。ウッドハウスが創造した作中人物の中では、完璧な執事のジーヴス、中年の英国人マリナー氏、遊び人のスミスの三人が名高い。とりわけ、ジーヴスとバーティーの名コンビは、英国にあってはシャーロック・ホームズと並び称されるほど人気があり、テレビドラマ化もされている。第二次世界大戦後、米国に定住し、1955年に帰化。1975年、サーの称念を受け、同年93歳の高齢で死去した






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