『アンドロメダ病原体〔新装版〕』マイクル・クライトン(著) 2018
8/11
土曜日

原書はThe Andromeda Strain, Michael Crichton(1969)。とても映画受けするSF小説といえよう。現に映画化もされたが、緊張感を保ちつつ数日間の出来事を描く。医学・科学・生物学、軍事知識と著者の博学と勉強熱心さが窺える。宇宙からの病原菌を解析・対処すべく秘密の組織、地下に構築された施設、対処レベルに応じて地下に潜っていく。地球外であれば尚更のこと、未知の脅威があるため、想定しきれないケースがあり得て当然。それが設計上の不具合、構造上の問題にリンクする。リスク対応には発生確率・発生頻度により対応計画を立案しておくのが常套だが。さあ、施設が汚染された場合、施設を核爆発させ、病原体諸共焼き尽くす、基本コンセプトはよいにしても、なるほど焼けば死滅するから問題なし、とするところに本小説の逆説的な隙を突く狙いもあろのだろう。テンポがあり、躍動感がある。いいね。映画はアマゾンでブルーレイは売っているが、プライムで観られるようにしてほしい。

ガーディアン必読1000冊:犯罪系 73読了/1000

アンドロメダ病原体〔新装版〕(ハヤカワ文庫NV)
マイクル・クライトン 浅倉久志
4150412545
登録情報
文庫: 460ページ
出版社: 早川書房; 新装版 (2012/4/6)
言語: 日本語
ISBN-10: 4150412545
ISBN-13: 978-4150412548
発売日: 2012/4/6

内容(「BOOK」データベースより)
事件はアリゾナ州の小さな町、人口48人のピードモントで起きた。町の住人が一夜で全滅したのだ。軍の人工衛星が町の郊外に墜落した直後のことだった。事態を重視した司令官は直ちにワイルドファイア警報の発令を要請する。宇宙からの病原体の侵入…人類絶滅の危機にもつながりかねない事件に、招集された四人の科学者たちの苦闘が始まる。戦慄の五日間を描き、著者を一躍ベストセラー作家の座に押し上げた記念碑的名作。






Copyright (C) 2018 Shougo Iwasa. All Rights Reserved.