『夏の闇』開高 健(著) 2018
7/31
火曜日

本作品は1972年(昭和47年)に新潮社より発刊されたもの。時代的にベトナム戦争紛争中に執筆されたもので、直接の戦闘シーンはないものの、空気の振動具合は感じられる。この時代のまさに現地で生の粉塵を吸いこんだねっとりべったり感が音波&熱波となり伝わってくる。難でもないが著者のナルシスト的な「女は賢くてSEXではこのように振る舞うべきで、男に尽くしなびき都合の良いメリハリのある女体でなければならない」というか、そのようなイヤラシサが僕には鼻についてクシャミが出てしまう。(ハクション) 釣りはお得意の分野だろうから生き生きと経験から持論を述べておられる。単語の選択と文章の練度はさすがプロの作家、上手い。

夏の闇 (新潮文庫)
開高 健
4101128103
登録情報
文庫: 266ページ
出版社: 新潮社; 改版 (1983/05)
言語: 日本語
ISBN-10: 4101128103
ISBN-13: 978-4101128108
発売日: 1983/05

内容紹介
ヴェトナム戦争で信ずべき自己を見失った主人公は、ただひたすら眠り、貪欲に食い、繰返し性に溺れる嫌悪の日々をおくる……が、ある朝、女と別れ、ヴェトナムの戦場に回帰する。“徒労、倦怠、焦躁と殺戮"という暗く抜け道のない現代にあって、精神的混迷に灯を探し求め、絶望の淵にあえぐ現代人の《魂の地獄と救済》を描き、著者自らが第二の処女作とする純文学長編。




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