『知と愛』ヘッセ(著) 2018
7/22
日曜日

ノーベル文学賞作家、円熟期ともいえる1930年のヘッセ作品。なんというか、飄々と淡々と客観的に他人事のように、終わればそのような本書とのお付き合いだった。それは、自分の経験、価値観と掛け合わせてみて、書物と自分の間に距離感・親密度にはギャップがあるじゃないですか。ね。掃除機のように吸引力をもって吸い込まれる場合と、サーキュレータのように吹き飛ばされる時、もしくは凪ぎのような無風状態に分類される。順番にいうと「おいしい」「食えぬ」「どっちつかず」と僕の中で尺度的分類をすると、これは「どっちつかず」かな。


 (ガーディアン必読1000冊:家族・私小説 70作品読了/1,000)

知と愛 (新潮文庫)
ヘッセ 高橋 健二
4102001107
登録情報
文庫: 495ページ
出版社: 新潮社; 改版 (1959/6/9)
言語: 日本語
ISBN-10: 4102001107
ISBN-13: 978-4102001103
発売日: 1959/6/9
内容紹介
本来官能の子でありながら精神の人になろうとして修道院に入った美少年ゴルトムントは、若く美しい師ナルチスの存在によって、自分は精神よりもむしろ芸術に奉仕すべき人間であることを教えられ、知を断念して愛に生きるべく、愛欲と放浪の生活にはいる――。二つの最も人間的な欲求である知と愛とが、反撥し合いながら互いに引かれ合う姿を描いた多彩な恋愛変奏曲。一九三○年作。



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