『ペンギンの憂鬱』アンドレイ・クルコフ(著) 2018
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日曜日

原書は、SMART' POSTORONNEGO(2004) (※ロシア語出版は1996)。アイロニー(皮肉)、ペーソス(哀愁)、ユーモアが折混ざり、ありゃせん的な奇抜な事柄はコメディなので許すこととしよう。場所はウクライナ、1991年ソ連崩壊により独立した国の作家が書いた。そんな中、政治不安やダークな暗黒街の香りする出来事も表面に浮上しては、いつの間にか鎮火してしまったりと、事件の原因と結果が置いてけぼりにされるところ、多々あり。作家、預かった女の子、子供のお守りをしている間に手籠めにされてしまった娘の行動や会話がほのぼのする。それに遜色なく劣ることなく語らぬペンギンの存在感たるや、読んでみなされ。

 (ガーディアン必読1000冊:コメディ 50作品読了/1,000)

ペンギンの憂鬱 (新潮クレスト・ブックス)
アンドレイ・クルコフ 沼野 恭子

4105900412

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登録情報
ペーパーバック: 315ページ
出版社: 新潮社 (2004/9/29)
言語: 日本語
ISBN-10: 4105900412
ISBN-13: 978-4105900410
発売日: 2004/9/29
内容(「BOOK」データベースより)
恋人に去られた孤独なヴィクトルは、憂鬱症のペンギンと暮らす売れない小説家。生活のために新聞の死亡記事を書く仕事を始めたが、そのうちまだ生きている大物政治家や財界人や軍人たちの「追悼記事」をあらかじめ書いておく仕事を頼まれ、やがてその大物たちが次々に死んでいく。舞台はソ連崩壊後の新生国家ウクライナの首都キエフ。ヴィクトルの身辺にも不穏な影がちらつく。そしてペンギンの運命は…。欧米各国で翻訳され絶大な賞賛と人気を得た、不条理で物語にみちた長編小説。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
クルコフ,アンドレイ
ウクライナのロシア語作家。1961年レニングラード(現サンクト・ペテルブルグ)に生まれ、3歳のとき家族でキエフに移る。キエフ外国語大学卒業。出版社勤務、オデッサでの兵役を経て、小説、シナリオ、児童書を書いていたが、長らく日の目を見なかった。クルコフの名を一躍有名にしたのが『ペンギンの憂鬱』(1996)である。約20ヵ国語に訳され、国際的なベストセラーとなる。キエフ在住。妻はイギリス人(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)



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