原書は、SMART' POSTORONNEGO(2004) (※ロシア語出版は1996)。アイロニー(皮肉)、ペーソス(哀愁)、ユーモアが折混ざり、ありゃせん的な奇抜な事柄はコメディなので許すこととしよう。場所はウクライナ、1991年ソ連崩壊により独立した国の作家が書いた。そんな中、政治不安やダークな暗黒街の香りする出来事も表面に浮上しては、いつの間にか鎮火してしまったりと、事件の原因と結果が置いてけぼりにされるところ、多々あり。作家、預かった女の子、子供のお守りをしている間に手籠めにされてしまった娘の行動や会話がほのぼのする。それに遜色なく劣ることなく語らぬペンギンの存在感たるや、読んでみなされ。
(ガーディアン必読1000冊:コメディ 50作品読了/1,000)
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