『ロビンソン・クルーソー(上下巻)』ダニエル・デフォー(著) 2018
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月曜日

原書は、
(上巻)THE LIFE AND STRANGE SURPRINING ADVENTURES OF ROBINSON CRUSOE、
(下巻)THE FARTHER ADVENTURES OF ROBINSON CRUSOE(1719)。

【上巻】約300年前の本。当時は物事や感情の描写が控えめに言っても大袈裟で、現代世代からいうとこっ恥ずかしく、またくすぐったさがある。ロビンソンは目立ちたがり屋で仕切り屋であって、絶対的支配権、専制君主、立法者、元帥、総督として孤島を牛耳ることが心地よい人なのだ。しかしですね、フライデイと出会うまで25年は一人だったでしょう。もっと悶え苦しみ絶叫し、女性のいない寂しさに子山羊にだって猪突猛進したでしょうに、そのあたりは英国紳士の成せる技か、まあ、取り乱すこともなくジェントルマンこの上なさに驚愕しておきましょう。
【下巻】二部、世界あちらこちらと旅は続く。当時、300年前の世界旅行記と割り切って読むと趣深いものである。ロビンソンは、蛮人や文明国家でない民族・人種を卑しい、我々より劣ると見下すところ多い。自分が孤島へ再訪問した折も絶対主権は自分あることを強調する。なんだかねぇ。船長でもないのに自分が命令・指示をする。これでは統率とれませんな。キリスト教からみる異教徒の話題もそこそこ。それでも300年昔の旅行記と思えば、孤島のその後、そしてシナ、南京、北京からロシアまで広大な地域をを安全に旅できるのだからいいのじゃなかろうか。

 (ガーディアン必読1000冊戦争旅行記 44作品読了/1,000)

ロビンソン・クルーソー〈上〉 (岩波文庫)
デフォー Daniel Defoe

4003220811

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文庫: 423ページ
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ISBN-13: 978-4003220825
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内容(「BOOK」データベースより)
【上巻】絶海の孤島に漂着したロビンソンは合理的な行動と敬神の念を武器に、独り営々として生活を切りひらいてゆく。この物語がいまも魅力的であるのは、単にその主人公がイギリス18世紀の人間像を見事に形象化したものとなっているばかりでなく、現代に生きるわれわれ自身の人間性のもっとも中核的なものにもかたく結びついているからである。
【下巻】下巻はロビンソン・クルーソーの「その後の冒険」の物語である。帰国後の数年はこれといって何不自由のない生活をおくるが、重い病気のぶり返しのように襲ってくる放浪の欲望にはついに抗しがたく、妻の死をきっかけに再び航海に出る。夢にまで見た孤島を訪れたあと、いよいよアフリカ・インド・中国を経てアジア大陸を横断する大冒険が始まる。



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