原書は、A Tale of a Tub, Jonathan Swift。本書は1697年頃(300年前)に執筆。作家は「ガリバー旅行記」を書いた人。「桶物語」「書物物語」「人工神憑(がかり)の説」の三編が収録。スウィフトは博学な人であるが、話があちらこちらへと、食い散らかすように発散していて、悪く言えばごった煮で、今どこにいて、何味やら迷う。ギリシャ神話等々の人物多数登場し、各種宗教をこき下ろし、著名・有名人も誹謗する。全体を通じ言い訳がましい。且つ捏ねくり回した感が重厚で、物語に流れがないので気合いを入れないと読み辛いのである。
どうだろう、こう考えてみては。現代小説や論文を300年後の人類が読んでいるとしたら。ガリバー旅行記は未だに少年少女に読まれるし、映画にもなるし。書物の持つエネルギーは世代を超越していくということが嬉しい。300年後は誰の本が生き残り読まれていると想像してみては。
(ガーディアン必読1000冊:コメディ 41作品読了/1,000)
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