『刑事マルティン・ベック バルコニーの男』マイ・シューヴァル&ペール・ヴァールー(著) 2017
12/19
火曜日

原書はThe Man on the Balcony(1967)、刑事小説、第四作、第一作、第二作ときて第三作。緊張感を保ちながらも、物語に吸い込まれる。というのは小説としては上手だからだろう。登場する刑事たちに個性というより強烈な灰汁の強さがある一方で、犯人を追い詰めて挙げてやる熱意に溢れ、同じ人として被害者や親族に真摯に向き合う。会話の絡みも絶品だ。当たり前といえば外せないツボなのであるが、お作法がキチンとしているのは読み手からしても気持ちのよいものである。オーソドックスだが、セオリーを順当に撫でていく。そして何よりスリリングであるのが宜しい。

バルコニーの男 刑事マルティン・ベック (角川文庫)
マイ・シューヴァル ペール・ヴァールー 柳沢 由実子

4041014786

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登録情報
文庫: 352ページ
出版社: KADOKAWA (2017/3/25)
言語: 日本語
ISBN-10: 4041014786
ISBN-13: 978-4041014783
発売日: 2017/3/25

内容(「BOOK」データベースより)
ストックホルム中央の公園で女児の死体が見つかった。彼女は前年、不審な男に話しかけられ、警察に証言を残していた。そのわずか二日後に別の公園で新たな少女が殺害され、ストックホルム市民は恐怖に打ち震えた。連続少女暴行殺人事件に、刑事マルティン・ベックは仲間と事件に取り組むが、手がかりは三歳の男の子のたどたどしい証言と、強盗犯の記憶のみ。捜査は行き詰まる―。警察小説の金字塔シリーズ・第三作!





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