『魔女と呼ばれて』フェイ・ウェルドン(著) 2017
11/26
日曜日

原書はTHE LIFE AND LOVES OF A SHE-DEVIL(1983)、女性作家フェイ・ウェルドンである。前半テンポがありリズミカルでウィットでユーモアな会話とト書きが、コメディータッチであり脚本的・映画的である。(彼女は脚本家でもある)話はジワジワと段階的に復讐劇は加速・増長する。宗教感や政治姿勢、財政現状について造詣ある見解もあるが、流れの暗さの中に埋没してしまっているのが多少残念。主人公ルースはフェミニストとはいえないだろう。美容整形・腕・脚切り詰め手術の医学的な表現は、にわか勉強、聞き囓り感が鼻についてしまう。世の主婦層は多少の鬱憤を夫・家族に抱いているとしたら、その方々にはスカッとスッキリな書籍になるやもしれぬ。いや、そう簡単にはいくまいよ。

英ガーディアン紙が選ぶ「死ぬまでに読むべき」必読小説1000冊:家族・コメディ(37作品読了/1000)

魔女と呼ばれて
フェイ ウェルドン 森沢 麻里

4087731138

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登録情報
単行本: 351ページ
出版社: 集英社 (1990/04)
言語: 日本語
ISBN-10: 4087731138
ISBN-13: 978-4087731132
発売日: 1990/04

内容(「BOOK」データベースより)
ルースは身長185センチ、体重90キロの大女。夫のボッボより10センチも背が高い。黒髪で目はぐっと引っ込み、長く突き出た顎に毛の生えたホクロが3つ、見事な醜女だ。有能な会計士であるボッボは、若気の過ちで彼女と結婚したことを、もちろん後悔している。ロマンス小説のベストセラー作家、メアリ・フィッシャーが原因だ。彼女は美しい金髪で、ボッボより15センチも背が低い。夫は彼女との愛の生活にのめりこみ、海が見える灯台の塔の家に住む。ルースはくやしい。しかし、どうすることもできない。ある日、夫がへまばかりのルースに怒りを爆発させ、「おまえは魔女だ!」と怒鳴る。その瞬間、ルースはメラメラとめざめた。もしわたしが魔女なら、わたしはなにをしてもいいんだ。ふたりに対するルースの復讐がはじまる…。フェミニズム文学の最高傑作。






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