原作は1968年作品。如何様にストーリーに吸い込まれてしまうかというと、バスタブの栓を抜き、湯量が残り僅かとなると、北半球の特性を呈しながら、渦巻き流となって、排水溝に流れ込んでいく。抜け出そうにも髪の毛君はじめ水君は為す術もなく、抗えもできない。おもしろさの強さ、バロメータ、吸引力はこれほどに強い。警察小説の金字塔と称される本書、シリーズの第四作。順追って他作品も読んでしまうのだろう。 ※ガーディアン必読死ぬまでに読むべき1000冊:犯罪系 (31作品読了/1000作品)
内容(「BOOK」データベースより) 反米デモの夜、ストックホルムの市バスで八人が銃殺された。大量殺人事件。被害者の中には、右手に拳銃を握りしめた殺人捜査課の刑事が。警察本庁殺人捜査課主任捜査官マルティン・ベックは、後輩の死に衝撃を受けた。若き刑事はなぜバスに乗っていたのか?デスクに残された写真は何を意味するのか?唯一の生き証人は、謎の言葉を残し亡くなった。捜査官による被害者一人一人をめぐる、地道な聞き込み捜査が始まる―。アメリカ探偵作家クラブ賞受賞。警察小説の金字塔、待望の新訳!