『アクロイド殺し』アガサ・クリスティー(著) 2017
6/23
金曜日

初読作家、ミステリーの女王、アガサ・クリスティの作品である。そして本書「アクロイド殺し」は1926年の作品。日本で言えば昭和元年にあたり、90年前の執筆としては、古典とまでは言えないが、古くささを感じさせない作風である。登場人物の伏線と相互に織り交ぜ合った状況と証拠を緻密に付き合わせトリックを種明かししていく。しかし、誰が犯人であったら一番読み手に衝撃を与えるだろう、意外性があるだろうか、と類推したときに僕は中盤以前に「だぶん、○○だろうな、これは」と判ってしまった。それで、今より娯楽性の少なかった時代においては本書はスリリングで”自ら犯人捜しに没頭できる”こと、楽しめることを請け負う。

アクロイド殺し (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)
アガサ クリスティー Agatha Christie

4151300031

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登録情報
文庫: 445ページ
出版社: 早川書房 (2003/12/1)
言語: 日本語
ISBN-10: 4151300031
ISBN-13: 978-4151300035
発売日: 2003/12/1

内容(「BOOK」データベースより)
深夜の電話に駆けつけたシェパード医師が見たのは、村の名士アクロイド氏の変わり果てた姿。容疑者である氏の甥が行方をくらませ、事件は早くも迷宮入りの様相を呈し始めた。だが、村に越してきた変人が名探偵ポアロと判明し、局面は新たな展開を…驚愕の真相でミステリ界に大きな波紋を投じた名作が新訳で登場。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
クリスティー,アガサ
1890年、保養地として有名なイギリスのデヴォン州トーキーに生まれる。中産階級の家庭に育つが、のちに一家の経済状況は悪化してしまい、やがてお金のかからない読書に熱中するようになる。特にコナン・ドイルのシャーロック・ホームズものを読んでミステリに夢中になる。1914年に24歳でイギリス航空隊のアーチボルド・クリスティーと結婚し、1920年には長篇『スタイルズ荘の怪事件』で作家デビュー。1926年には謎の失踪を遂げる。様々な臆測が飛び交うが、10日後に発見された。1928年にアーチボルドと離婚し、1930年に考古学者のマックス・マローワンに出会い、嵐のようなロマンスののち結婚した。1976年に亡くなるまで、長篇、短篇、戯曲など、その作品群は100以上にのぼる。現在も全世界の読者に愛読されており、その功績をたたえて大英帝国勲章が授与されている





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