『人間万事塞翁が丙午』青島幸夫(著) 2017
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火曜日

故青島幸夫氏は、子供の頃は「いじわるばあさん」(1966-1971)で知っていた。また放送作家、作詞家であった。かの植木等氏の「スーダラ節」も青島氏の作詞である。東京都知事としての活躍はイマイチであった。彼が処女作として著した本書が直木賞受賞となった。実在の母をモデルとしているとのこと。下町の江戸っ子の活きの良さが心地よく、登場人物の個性が確立され際立つ。文章はシンプルではあるが、説得力・共感力を湛えている。調子に乗って政治家にならなければ、それなりの功績は称えられたのかも知れない。残念。

人間万事塞翁が丙午 (新潮文庫)
青島 幸男
4101267049
登録情報
文庫: 301ページ
出版社: 新潮社 (1984/08)
言語: 日本語
ISBN-10: 4101267049
ISBN-13: 978-4101267043
発売日: 1984/08
内容(「BOOK」データベースより)
呉服問屋が軒をつらねる東京・日本橋堀留町の仕出し弁当屋“弁菊”。人情味豊かであけっぴろげ、良くも悪くもにぎやかな下町に、21歳で嫁いできたハナは、さまざまな事件に出遭いながらも、持前のヴァイタリティで乗り切ってゆく。―戦中から戦後へ、激動の時代をたくましく生きた庶民たちの哀歓を、自らの生家をモデルにいきいきと描き出した、笑いと感動の下町物語。直木賞受賞(1981)。



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