『鬼謀の人』司馬遼太郎(著) 2017
4/3
月曜日

幕末の実存する人物が五篇編まれている。

「鬼謀の人」は大村益次郎(村田蔵六)、火吹達磨と言われた(達磨のような形の顔だ)。長州征伐・戊申戦争で軍を采配した。また、日本陸軍の骨格を作り上げもした。
「英雄児」は、長岡藩は河井継之助。この人も大胆。
「慶応長崎事件」は長崎停泊中のイカルス船乗組員を斬り殺したと疑いをかけられた土佐の菅野覚兵衛の話。
「人斬り以蔵」は土佐の足軽出の岡田以蔵、彼の苦悩が痛々しい。
「喧嘩草雲」は武芸にも秀でていたが画家としても晩年に活躍する田崎草雲の話。小国、足利藩を幕末に近代化武装した功績を讃えられている。

幕末風雲火急の折、メジャーな登場人物だけにスポットライトが当たるだけでは許ない。僕の中ではそれらを肉付けするが如く、マイナー級な大村益次郎、河井継之助、菅野覚兵衛、岡田以蔵、田崎草雲らの隅っこに照明をあてていて、幕末史を色濃く艶やかにさせている一要素となっている。

「鬼謀の人」
「英雄児」
「慶応長崎事件」
「人斬り以蔵」
「喧嘩草雲」

鬼謀の人 (1964年)
司馬 遼太郎
B000JAG550
登録情報
-: 268ページ
出版社: 新潮社 (1964)
ASIN: B000JAG550
発売日: 1964



Copyright (C) 2017 Shougo Iwasa. All Rights Reserved.